米金融政策の不透明感が意識される流れ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、次回会合(12月)での利下げに慎重なスタンスを示したことがマイナス材料視されている。FOMCでは予想通り2会合連続で利下げが決定された。金融政策で米国に追随する香港も政策金利を引き下げたが、香港金融管理局(HKMA)の余偉文総裁は30日、今後の米利下げの規模やペースは依然として不透明などとコメントしている。
また、米中首脳会談を巡る好材料もいったん出尽くしたとの見方が広がった。トランプ米大統領と中国の習近平・国家主席による6年ぶりの対面会談は、韓国の釜山で午前11時過ぎ(日本時間と同じ)に始まり、約1時間半で終了。トランプ氏はその後、「素晴らしい会談を行った」と述べ、合成麻薬フェンタニルの米流入対策で中国に課していた20%の追加関税を10%に引き下げることなどを発表した。指数は高く推移していたが、後場に入りマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)とビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)がそろって4.8%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.7%安と下げが目立った。
セクター別では、香港と本土の不動産が安い。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.4%、恒隆地産(101/HK)と恒基兆業地産(12/HK)がそろって2.6%、龍湖集団HD(960/HK)が3.7%、中国海外発展(688/HK)が3.3%、華潤置地(1109/HK)が2.7%ずつ下落した。
医薬セクターもさえない。
そのほか、通信機器・設備メーカー大手の中興通訊(ZTE:763/HK)が11.4%安と急落。1~9月期決算の33%減益が嫌気された。
半面、非鉄・産金セクターは高い。中国アルミ(2600/HK)が10.2%、中国宏橋集団(1378/HK)が8.2%、江西銅業(358/HK)が5.1%、中国黄金国際資源(2099/HK)が5.3%、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.6%、招金鉱業(1818/HK)が3.6%ずつ上昇した。江西銅業に関しては、1~9月期の21%増益も好感されている。
リチウム採掘や動力電池の銘柄も急伸。江西カン鋒リ業集団(ガンフェン・リチウム・グループ:1772/HK)が14.9%高、中創新航科技(3931/HK)が10.5%高、天斉リ業(9696/HK)が9.1%高で取引を終えた。ガンフェンの1~9月期決算が黒字に転換。リチウム各社に買いが波及した。
本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%安の3986.90ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











