３１日前場の香港マーケットは、主要８８銘柄で構成されるハンセン指数が前日比２３２．６１ポイント（０．８９％）安の２６０５０．０８ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧Ｈ株指数）が１０９．１２ポイント（１．１７％）安の９２３７．７４ポイントと３日続落した。売買代金は１４２２億９９３０万香港ドルに縮小している（３０日前場は１７８７億７０万香港ドル）。

　中国景気の先行き不安が重しとなる流れ。寄り付き前に国家統計局が公表した１０月の製造業ＰＭＩは４９．０と市場予想（４９．６）に届かず、景況判断の境目となる５０を７カ月連続で下回った。そのほか、米金融政策を巡る不透明感も引き続き相場の重しとなっている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米中対立の過度な警戒感が薄れたことや、中国の政策に対する期待感が相場を支えている。（亜州リサーチ編集部）
　ハンセン指数の構成銘柄では、ＩＣファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造（ＳＭＩＣ：９８１／ＨＫ）が５．１％安、太陽光発電（ＰＶ）用ガラス基板メーカーの信義光能ＨＤ（９６８／ＨＫ）が４．８％安、自動車大手の比亜迪（ＢＹＤ：１２１１／ＨＫ）が３．７％安と下げが目立った。ＢＹＤについては、７～９月期決算の３２．６％減益が嫌気されている。
　セクター別では、半導体が安い。ＳＭＩＣのほか、華虹半導体（１３４７／ＨＫ）が６．７％、英諾賽科（蘇州）科技（２５７７／ＨＫ）が５．０％、上海復旦微電子集団（１３８５／ＨＫ）が４．９％、ＡＳＭＰＴ（５２２／ＨＫ）が２．７％ずつ下落した。
　中国の証券セクターもさえない。華泰証券（６８８６／ＨＫ）が５．４％安、東方証券（３９５８／ＨＫ）が４．５％安、広発証券（１７７６／ＨＫ）が３．６％安、国聯証券（１４５６／ＨＫ）が３．５％安で前場取引を終えた。
　発電や設備の電力関連セクターも売られる。
龍源電力集団（９１６／ＨＫ）が２．６％安、中国電力国際発展（２３８０／ＨＫ）が２．０％安、中国広核電力（１８１６／ＨＫ）が１．９％安、東方電気（１０７２／ＨＫ）が５．０％安、ハルビン電気（１１３３／ＨＫ）が３．６％安で引けた。風力発電で中国最大手の龍源電力については、１～９月期決算の２０％減益も売り材料視されている。
　そのほか、減益決算を報告した銘柄では、コンテナ生産中国最大手の中国国際海運集装箱（２０３９／ＨＫ）が４．９％安、インフラ建設の中国中鉄（３９０／ＨＫ）が３．９％安、交通インフラ整備の中国交通建設（１８００／ＨＫ）が２．３％安と値を下げた。
　半面、医薬セクターは高い。三生製薬（１５３０／ＨＫ）が１０．５％、永泰生物製薬（６９７８／ＨＫ）が５．６％、康希諾生物（６１８５／ＨＫ）が４．３％、中国生物製薬（１１７７／ＨＫ）が２．５％ずつ上昇した。
　そのほか、増益決算を手がかりに、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力（２３３８／ＨＫ）が５．３％高、建機大手の中聯重科（１１５７／ＨＫ）が３．１％高と値を上げている。
　本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比０．６３％安の３９６１．６２ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが安い。金融、公益、資源・素材、インフラ関連、空運なども売られた。半面、医薬は高い。消費関連、自動車、不動産も買われた。

（編集担当：亜州リサーチ＝サーチナ）
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