31日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比376.04ポイント(1.43%)安の25906.65ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が178.28ポイント(1.91%)安の9168.58ポイントと3日続落した。売買代金は2576億1210万香港ドル(約5兆1161億円)に縮小している(30日は3538億440万香港ドル)。

 投資家心理がやや悪化する流れ。寄り付き前に国家統計局が公表した10月の製造業PMIは49.0と市場予想(49.6)に届かず、景況判断の境目となる50を7カ月連続で下回った。そのほか、米金融政策を巡る不透明感も引き続き相場の重しとなっている。米中対立の過度な警戒感が薄れたことや、中国の政策に対する期待感などで、指数は下げ渋る場面がみられたものの、引けにかけて下落の勢いが増した。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.3%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が5.0%安、電子商取引(EC)世界大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が4.1%安と下げが目立った。そのほか、自動車大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が3.5%安。7~9月期決算の32.6%減益が嫌気されている。
 セクター別では、半導体が安い。SMICのほか、華虹半導体(1347/HK)が7.4%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.7%、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が4.9%ずつ下落する。ハンセン科技(テック)指数は2.4%安と他の指数をアンダーパフォームした。
 中国の保険・証券セクターも売られる。中国人民保険集団(1339/HK)が5.8%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.2%安、中国人民財産保険(2328/HK)が3.2%安、華泰証券(6886/HK)が5.9%安、広発証券(1776/HK)が3.9%安、中信証券(6030/HK)が3.7%安で取引を終えた。

 発電や設備の電力関連セクターもさえない。龍源電力集団(916/HK)が2.7%安、中国電力国際発展(2380/HK)が2.3%安、中国広核電力(1816/HK)が1.9%安、東方電気(1072/HK)が5.5%安、ハルビン電気(1133/HK)が4.3%安で引けた。風力発電で中国最大手の龍源電力については、1~9月期決算の20%減益も売り材料視されている。
 そのほか、減益決算を報告した銘柄では、インフラ建設の中国中鉄(390/HK)が4.6%安、コンテナ生産中国最大手の中国国際海運集装箱(2039/HK)が3.8%安、交通インフラ整備の中国交通建設(1800/HK)が2.7%安と値を下げた。
 半面、医薬セクターは高い。三生製薬(1530/HK)が11.3%、上海復星医薬集団(2196/HK)が6.7%、康希諾生物(6185/HK)が4.5%、中国生物製薬(1177/HK)が2.9%ずつ上昇した。
 そのほか、増益決算を手がかりに、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(2338/HK)が4.5%高、建機大手の中聯重科(1157/HK)が1.8%高と値を上げている。
 本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.81%安の3954.79ポイントで取引を終了した。ハイテクが安い。金融、公益、資源・素材、インフラ関連、空運なども売られた。半面、医薬は高い。
消費関連、自動車も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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