中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国経済の先行き不安がくすぶる中、当局は今年の成長率目標「5.0%前後」達成のため景気対策を強めるとの見方が改めて広がっている。10月31日に国家統計局が公表した10月の製造業PMIが49.0と市場予想(49.6)に届かず、景況判断の境目となる50を7カ月連続で下回った。ほか、前場に発表された民間集計のRatingDog中国製造業業PMIは50.6と、予想(50.7)以上に前月(51.2)から低下している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が6.0%高、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が4.7%高、モバイル端末・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が3.5%高と上げが目立った。AIAについては、7~9月期の新契約価値が前年同期比で27%増加したことが材料視されている。小米に関しては、電気自動車(EV)部門の月次統計で、10月も好調を維持したことが好感された。
セクター別では、石油・石炭が高い。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.4%、エン鉱能源集団(1171/HK)が4.7%、中国中煤能源(1898/HK)が4.2%ずつ上昇した。原油相場の引き締まりが期待される。主要産油国で構成する石油輸出機構(OPEC)プラスの有志8カ国は2日のオンライン会議で、来年1~3月の増産を見送ることを決定した。
中国の銀行セクターもしっかり。
海運セクターも物色される。海豊国際HD(1308/HK)が7.5%高、太平洋航運集団(2343/HK)が5.1%高、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%高、東方海外(316/HK)が2.4%高と値を上げた。
半面、半導体セクターは安い。蘇州貝克微電子(2149/HK)が3.7%、華虹半導体(1347/HK)が3.5%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.9%、晶門半導体(2878/HK)が2.0%ずつ下落した。
非鉄・産金セクターもさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.5%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.3%安、江西銅業(358/HK)が2.5%安、中国黄金国際資源(2099/HK)が2.3%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.6%安で引けた。産金株は金相場の下落が逆風となっている。中国財政部は1日、金(ゴールド)販売に対する税優遇措置を撤廃すると発表した。世界有数の金製品販売市場で需要が減少すると危惧されている。
本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.55%高の3976.52ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











