投資家心理が上向く流れ。米中貿易戦争の休戦がプラス材料だ。米中両政府は10日午後(日本時間)、互いにかけた追加関税を引き下げる予定だ。そのほか、米国は中国船などに対する入港料の徴収も10日から1年間延期。中国はガリウムやゲルマニウムなどレアメタル(希少金属)の米向け禁輸措置を停止する。米政府機関の一部閉鎖を巡る警戒感もやや後退。複数メディアが日本時間10日午後までに、米上院が超党派の賛成で政府再開に向けた短期予算案の採決に向けた動議を可決したと報じた。閉鎖長期化による経済混乱が終結すると期待されている。
一方、中国で9日に公表された物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同期比プラス0.2%となり、9月のマイナス0.3%から上昇に転じた。大型連休により、旅行や食品の需要が押し上げたと分析されている。消費活動の持ち直し期待が関連セクターにとっての追い風となった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップマート:9992/HK)が8.1%高、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が5.9%高、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が5.0%高と上げが目立った。
セクター別では、消費関連が高い。ポップマートのほか、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が15.3%、冷凍食品の安井食品集団(2648/HK)が5.1%、火鍋の海底撈国際HD(6862/HK)が4.9%、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.2%、日用雑貨の創優品集団HD(9896/HK)が4.1%、白物家電の海信家電集団(921/HK)が3.8%ずつ上昇した。
エアラインや代理店など旅行関連セクターも物色される。中国国際航空(753/HK)が5.0%高、中国東方航空(670/HK)が4.7%高、中国南方航空(1055/HK)が4.6%高、同程旅行HD(780/HK)が6.9%高、携程集団(9961/HK)が2.7%高と値を上げた。
半面、発電セクターはさえない。華能国際電力(902/HK)が2.3%、華電国際電力(1071/HK)が2.1%、中国広核電力(1816/HK)が1.9%、中国電力国際発展(2380/HK)が0.9%ずつ下落した。
本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.53%高の4018.60ポイントで取引を終了した。消費関連が高い。金融、医薬、資源・素材、不動産なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











