11日前場の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比53.09ポイント(0.20%)安の26595.97ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が30.67ポイント(0.32%)安の9412.57ポイントと反落した。売買代金は1183億1260万香港ドルとなっている(10日前場は1140億7940万香港ドル)。

 様子見ムードが漂う流れ。中国では今週14日、10月の小売売上高や鉱工業生産、1~10月の不動産開発投資などが公表される。そのほか、13日は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や京東集団(JDドットコム:9618/HK)、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)など主力テック企業が四半期決算を報告する予定だ。昨夜の米ハイテク株高などを好感し、指数は小高くスタートしたものの、上値は重く、中盤にかけてマイナス圏に沈んでいる。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中枢神経疾患・がん治療薬主力の翰森製薬集団(3692/HK)とバイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)がそろって2.5%安、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が2.4%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の証券が安い。華泰証券(6886/HK)が2.7%、東方証券(3958/HK)が2.0%、中信証券(6030/HK)が1.8%、広発証券(1776/HK)が1.7%ずつ下落した。
 消費セクターの一角もさえない。スポーツ用品の中国動向(3818/HK)が2.9%安、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)と家電の海爾智家(6690/HK)がそろって2.0%安、冷凍食品の安井食品集団(2648/HK)が1.5%安と値を下げている。前日は消費持ち直し期待で同セクターが物色されていた。
 半面、中国の不動産セクターは総じてしっかり。龍湖集団HD(960/HK)が2.4%、華潤置地(1109/HK)が2.2%、建発国際投資集団(1908/HK)が1.6%、中国海外発展(688/HK)が1.1%ずつ上昇した。

 他の個別株動向では、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(エックスポン:9868/HK)が15.1%高と続伸。香港メディアが10日、同社の何小鵬・董事長が最新モデルの人型ロボット(ヒューマノイドロボット)「IRON」について、2026年末までに量産を実現すると述べたと報じたことが引き続き材料視された。2022年7月以来の高値水準を取引時間中に回復している。
 本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%安の4003.17ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが安い。エネルギー、消費関連、自動車、医薬、軍需産業なども売られた。半面、不動産は高い。銀行、公益も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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