海外株高が好感される流れ。11日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.2%高と3日続伸し、2週ぶりに史上最高値を更新した。米政府機関の再開が意識されている。世界経済に対する悪影響が回避されると期待し、欧州市場でも主要株価指数が軒並み上昇。英FTSE100種総合株価指数や、ストックス欧州600指数は過去最高値を更新した。そのほか、米追加利下げや中国金融緩和に対する期待感も続いている。
ただ、上値は限定的。中国経済や企業業績の動向が気がかりだ。中国では今週14日、10月の小売売上高や鉱工業生産、1~10月の不動産開発投資などが公表される予定。また、あす13日は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や京東集団(JDドットコム:9618/HK)、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)など主力テック企業、週明け17日は吉利汽車HD(175/HK)や浙江零ホウ科技(9863/HK)、小鵬汽車(9868/HK)など自動車大手が四半期決算を報告する。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が4.4%高、オンライン医療の京東健康(JDヘルス:6618/HK)が4.3%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.1%高と上げが目立っている。
セクター別では、本土と香港の不動産関連が高い。
中国の保険・銀行セクターもしっかり。中国人寿保険(2628/HK)が3.5%高、新華人寿保険(1336/HK)が3.2%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.1%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.8%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.4%高で前場取引を終えた。
医薬セクターも物色される。三生製薬(1530/HK)が6.5%高、百済神州(6160/HK)が7.7%高、永泰生物製薬(6978/HK)が2.7%高、勁方医薬科技(上海)(2595/HK)が2.6%高で引けた。
半面、新興EV(電気自動車)や半導体などテック銘柄はさえない。蔚来集団(9866/HK)が6.4%、小鵬汽車(9868/HK)が4.1%、華虹半導体(1347/HK)が4.5%、SMICが1.9%ずつ下落した。ハンセン科技(テック)指数は0.4%逆行安している。
他の個別株動向では、レーザーライダー(LiDAR)世界大手の禾賽科技(2525/HK)が11.0%安。好決算発表も好材料の出尽くし感が意識されている。同社が11日公表した7~9月期決算は純損益が黒字に転換し、通期ガイダンスが上方修正された。
本土マーケットは続落。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











