13日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比150.30ポイント(0.56%)高の27073.03ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が60.07ポイント(0.63%)高の9599.06ポイントと4日続伸した(ハンセン指数は約1カ月ぶり高値)。売買代金は2706億7310万香港ドル(約5兆3918億円)に拡大している(12日は2363億9520万香港ドル)。

 投資家心理が上向く流れ。史上最長となった米政府機関の一部閉鎖が解除されることや、中国の政策に対する期待感が支えだ。中国の金融政策を巡っては、一部ブローカーが金融緩和先送りの可能性に言及したものの、市場では預金準備率や政策金利の引き下げが依然期待されている。中国指標の発表を前に、指数は小安く推移していたが、引けにかけてプラスに転じた。中国ではあす14日、10月の小売売上高や鉱工業生産、1~10月の不動産開発投資などが公表される予定。市場コンセンサスでは、前月実績を下回る見通しだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の上げが目立つ。翰森製薬集団(3692/HK)が4.8%高、石薬集団(1093/HK)が3.8%高、中国生物製薬(1177/HK)が3.2%高で引けた。
 非鉄・産金セクターも高い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.5%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.5%、中国アルミ(2600/HK)が3.9%、中国黄金国際資源(2099/HK)が7.6%、霊宝黄金(3330/HK)が4.6%、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.2%ずつ上昇した。
 リチウム採掘や動力電池の銘柄も急伸。江西カン鋒リ業集団(1772/HK)が12.1%高、天斉リ業(9696/HK)が10.2%高、中創新航科技(3931/HK)が8.9%高、寧徳時代新能源科技(CATL:3750/HK)が3.2%高と値を上げた。

 半導体セクターも物色される。華虹半導体(1347/HK)が5.6%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.2%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が1.6%高、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が1.5%高で取引を終えた。
 半面、マカオ・カジノ株はさえない。澳門博彩HD(880/HK)が8.1%、新濠国際発展(200/HK)が3.7%、永利澳門(1128/HK)が1.4%、銀河娯楽集団(27/HK)が1.2%ずつ下落した。澳門博彩が報告した7~9月期決算は、今年9月の超大型台風18号(ラガサ)接近で33時間にわたり全カジノ施設が閉鎖された影響もあり91%減益と苦戦。セクター全体の売りを誘った。
 他の個別株動向では、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が3.5%安。親会社の華潤置地(1109/HK)が保有する同社株の一部を売却すると発表したことが嫌気された。華潤置地の説明によると、売却資金は土地買収や開発費用、運転資金などに充当する。
 本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%高の4029.50ポイントで取引を終了した。素材関連が高い。
医薬、産金、不動産、半導体、運輸、消費関連、自動車、インフラ関連の一角なども買われた。半面、通信・メディアは安い。公益や銀行の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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