中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。中国で内需の弱さを示す月次経済統計が相次ぐ中、当局は追加の景気刺激策を打ち出すとの見方が根強い状況だ。2026年の経済政策を決める中央経済工作会議は間もなく開催される見通し(2024年は12月11~12日に実施)。それより先、中国共産党は8日、中央政治局会議を開き、「適度に緩和的な金融政策」と「より積極的な財政政策」を継続していく方針を改めて確認した。内需拡大が最優先事項となる見込みで、財政出動の拡大も期待されている。
一方、寄り付き直後に公表された11月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス0.7%と市場予想に一致し、前月実績(プラス0.2%)を上回った。半面、生産者物価指数(PPI)はマイナス2.2%に落ち込み、下落率は前月実績(マイナス2.1%)と市場予想(マイナス2.0%)を超えている。CPIの改善が続いているものの、デフレ圧力に対する警戒感は払しょくされていない。中国経済動向の不透明感で指数は安く推移する場面もみられた。また、米国では10日(日本時間11日未明)、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が予定されている。内容を見極めたいとするムードも上値の重さにつながった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、豚肉生産で世界トップの万洲国際(288/HK)が5.0%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が3.4%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.2%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。万科企業(2202/HK)が13.2%、融創中国HD(1918/HK)が8.9%、中国金茂HD(817/HK)が8.5%、雅居楽集団HD(3383/HK)が6.5%ずつ上昇した。
産金・非鉄セクターも物色される。霊宝黄金(3330/HK)が9.4%高、招金鉱業(1818/HK)が3.3%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.4%高、中国アルミ(2600/HK)が2.5%高、江西銅業(358/HK)が1.2%高で引けた。
半面、海運セクターは安い。太平洋航運集団(2343/HK)が6.8%、東方海外(316/HK)が5.9%、中遠海運HD(1919/HK)が2.1%、海豊国際HD(1308/HK)が2.0%ずつ下落した。
本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.23%安の3900.50ポイントで取引を終了した。銀行が下げ主導。ハイテク、エネルギーなども売られた。半面、不動産は高い。軍需産業、医薬、素材、消費関連、公益も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











