週明け15日の香港マーケットは、主要89銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比347.91ポイント(1.34%)安の25628.88ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が161.65ポイント(1.78%)安の8917.70ポイントと反落した。売買代金は2042億8870万香港ドルとなっている(12日は2426億5690万香港ドル)。

 中国の景気不安が投資家心理の重しとなる流れ。取引時間中に公表された中国の月次経済統計では、11月の小売売上高や鉱工業生産が予想を下回り、1~11月の固定資産投資や不動産投資は予想以上に減少率が拡大した。また、先週12日に報告された11月の金融統計では、人民元建て新規融資額などが市場予想を下回っている。そのほか、人工知能(AI)投資の不透明感で先週末の米ハイテク株が急落したことも逆風だ。指数は引けにかけて下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中枢神経疾患・がん治療薬主力の翰森製薬集団(3692/HK)が7.6%安、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が5.8%安、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)と中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)がそろって4.4%と下げが目立っている。百度や快手、半導体などテック銘柄に売りが先行する中、ハンセン科技(テック)指数は2.5%安と他の主要指数をアンダーパフォームした。
 セクター別では、半導体株が安い。SMICのほか、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が9.8%、華虹半導体(1347/HK)が6.4%、ASMPT(522/HK)が4.5%ずつ下落した。
 新興電気自動車(EV)やスマートドライブ関連の銘柄群もさえない。浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.7%安、理想汽車(2015/HK)が2.9%安、小米集団(1810/HK)が2.6%安、文遠知行(800/HK)が4.1%安、地平線(9660/HK)が2.2%安で引けた。
 中国不動産セクターも売られる。
雅居楽集団HD(3383/HK)が6.3%安、万科企業(2202/HK)が5.2%安、中国海外宏洋集団(81/HK)が4.9%安、世茂集団HD(813/HK)が3.4%安で取引を終えた。万科については、債務繰り延べ集会が上手くいかず、デフォルト(債務不履行)が迫ったことも売り材料視されている。
 半面、産金セクターは高い。紫金黄金国際(2259/HK)が7.8%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が5.6%、霊宝黄金(3330/HK)が2.9%、招金鉱業(1818/HK)が1.9%ずつ上昇した。
 本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.55%安の3867.92ポイントで取引を終了した。ハイテクが安い。医薬、不動産、自動車、銀行、公益なども売られた。半面、保険は高い。軍需産業、資源・素材、運輸、消費も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
編集部おすすめ