買い戻しが優勢となる流れ。ハンセン指数はこのところの下落で、11月21日以来、約1カ月ぶりの安値水準を付けていた。中国の経済対策も改めて意識される。16日発行の中国共産党機関誌「求是」に国家発展改革委員会が所得向上と消費拡大に関しての文章を掲載し、消費者に直接恩恵がある政策を強化する必要性を論じた。もっとも、中国の景気不安は依然としてくすぶっている。上値も限定的だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が4.4%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が2.3%高、インフラ投資会社の長江基建集団(1038/HK)が2.2%高と上げが目立った。
セクター別では、消費関連が高い。李寧や申洲国際のほか、テレビ(TV)の創維集団(751/HK)が2.8%、火鍋の呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が2.7%、飲料水の農夫山泉(9633/HK)が1.6%、米菓・飲料の中国旺旺HD(151/HK)と乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)がそろって1.3%ずつ上昇した。
空運セクターも急伸。中国南方航空(1055/HK)が7.2%高、中国東方航空(670/HK)が5.7%高、中国国際航空(753/HK)が5.6%高で引けた。各社の月次営業実績は、旅行閑散期と言われる11月でも堅調で、年末年始や春節の予約増も期待されている。
自動運転やライダー(LiDAR)の銘柄も物色される。小馬智行(ポニーAI:2026/HK)が5.5%高、深セン佑駕創新科技(2431/HK)が5.0%高、文遠知行(800/HK)が3.0%高、禾賽科技(2525/HK)が3.2%高で前場取引を終えた。
半面、医薬セクターはさえない。上海復星医薬集団(2196/HK)が2.6%、四環医薬HD集団(460/HK)が1.6%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が1.3%、江蘇恒瑞医薬(1276/HK)が1.0%ずつ下落した。上海復星医薬については、赤字製薬会社の買収が懸念されている。同社ははこのほど、中国で初めてアルツハイマー病(AD)治療薬を開発した緑谷医薬を買収すると発表。同薬は有効性の疑義や臨床試験の不透明性などを理由に、生産・販売が停止されている。
本土マーケットも3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.17%高の3831.43ポイントで前場の取引を終了した。ハイテクが高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











