18日の香港マーケットは、主要89銘柄で構成されるハンセン指数が前日比29.35ポイント(0.12%)高の25498.13ポイントと続伸する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.06ポイント(0.02%)安の8841.51ポイントと反落した。売買代金は1623億7750万香港ドル(約3兆2540億円)に縮小している(17日は1831億4050万香港ドル)。
 
 中国発の新規材料に乏しい中で方向感を欠く流れ。中国の景気不安と政策期待が依然として綱引き状態だ。中国では月次経済統計の発表を消化し、次の重要指標は年末31日に公表される12月の製造業PMIと非製造業PMIとなる。人工知能(AI)産業の収益性に関する不透明感などでハンセン指数も安く推移していたが、大型株の主導で本土株が続伸する中、終盤に入りプラスに転じた。A株市場では、社会保障基金や年金基金、保険会社など長期投資家の資金が流入するとの思惑が広がっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が6.5%高、石油・化学大手の中国石油化工(386/HK)が3.4%高、中堅行の招商銀行(3968/HK)が2.4%高と上げが目立った。
 セクター別では、空運が高い。中国東方航空(670/HK)が8.1%、中国南方航空(1055/HK)が5.6%、中国国際航空(753/HK)が4.8%ずつ上昇した。足もとの空運需要が旺盛なことや、中国政府による日本への渡航自粛呼びかけの影響が限定されたとの見方が引き続き材料視されている。
 中国の銀行セクターもしっかり。招商銀行のほか、中国工商銀行(1398/HK)が1.5%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.3%高、中国建設銀行(939/HK)が1.2%高で引けた。
 半面、電気自動車(EV)関連はさえない。
小米集団(1810/HK)が2.5%安、理想汽車(2015/HK)が1.6%安、蔚来集団(9866/HK)と小鵬汽車(9868/HK)がそろって1.5%安で取引を終えた。各社が進めるスマートEVでは、AI半導体や技術が不可欠のため、開発費用の膨張が警戒されている。
 AI技術やクラウドの銘柄も安い。商湯集団(センスタイム:20/HK)と青島創新奇智科技集団(2121/HK)がそろって1.6%、金山雲HD(3896/HK)が4.1%、万国数拠HD(9698/HK)が2.1%、金蝶国際軟件集団(268/HK)が1.8%ずつ下落した。センスタイムについては、第三者割当増資の計画を発表したことも嫌気されている。EVやテックなどの下げが響き、ハンセン科技(テック)指数は0.7%安と下げた。
 本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の3876.37ポイントで取引を終了した。時価総額の大きい銀行や石油・石炭が上げを主導。軍需産業、運輸、素材、保険、公益なども買われた。半面、ハイテクは安い。不動産、自動車、消費関連、電設、医薬、証券も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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