週明け22日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比26.92ポイント(0.69%)高の3917.36ポイントと4日続伸した。 
 先週の好地合いを継ぐ流れ。
中国の政策に対する期待感が相場を支えている。中国で朝方公表された実質的な政策金利となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り7カ月連続で据え置かれたが、市場では金融緩和の期待が根強い。預金準備率や政策金利は、早ければ年明け1月にも引き下げられるとの見方が強まっている。また、米国の追加利下げ観測もプラス。米中金利差の縮小を背景に、中国の金融緩和余地が広がるためだ。
 ただ、上値は限定的。年末の接近や重要経済指標の発表が買い手控え要因として意識されている。中国では27日に11月の工業企業利益、31日に国家統計局などによる12月の製造業PMIと非製造業PMI、民間が集計する12月のRatingDog中国サービス業PMIが報告される予定だ。10月の工業企業利益は5.5%減と3カ月ぶりに縮小。マイナスが続く恐れもある。官製の製造業PMIと非製造業PMI、民間の製造業PMIはそれぞれ前月に続き景況判断の境目となる50を割り込む見通しだ。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。
電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)と光ファイバー・ケーブルメーカーの江蘇亨通光電(600487/SH)がそろって10.0%(ストップ)高、プリント基板(PCB)大手の深セン市景旺電子(603228/SH)が8.9%高、銅張積層板メーカー世界大手の広東生益科技(600183/SH)が8.5%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が4.0%高で引けた。ほか、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、半導体製造装置の拓荊科技(688072/SH)が10.4%高。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」は2.0%高と他の主要指数をアウトパフォームした。
 産金・非鉄株も高い。山東黄金(600547/SH)が4.6%、紫金鉱業集団(601899/SH)が4.5%、中金黄金(600489/SH)が4.3%、廈門タングステン業(600549/SH)が3.4%、江西銅業(600362/SH)が1.7%ずつ上昇する。産金株については、金先物価格が史上最高値を更新したことも好感された。
 電力設備関連株も物色される。臥竜電気駆動集団(600580/SH)が10.0%(ストップ)高、特変電工(600089/SH)が2.7%高、中国西電電気(601179/SH)が2.0%高、東方電気(600875/SH)が1.7%高で取引を終えた。運輸株、エネルギー株、自動車株、不動産株なども買われている。
 半面、医薬株はさえない。河南太龍薬業(600222/SH)が1.7%、薬明康徳(603259/SH)が1.4%、海正薬業(600267/SH)と馬応竜薬業(600993/SH)がそろって1.3%、浙江華海薬業(600521/SH)が1.1%ずつ下落した。公益株、食品飲料株、金融株も売られている。

 外貨建てB株相場は、上海B株指数が4.08ポイント(1.67%)高の248.23ポイント、深センB株指数が3.44ポイント(0.27%)高の1264.29ポイントで終了した。 
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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