23日の香港マーケットは、主要89銘柄で構成されるハンセン指数が前日比27.63ポイント(0.11%)安の25774.14ポイントと5日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が25.85ポイント(0.29%)安の8913.83ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は1571億3140万香港ドル(約3兆1536億円)に縮小している(22日は1697億7700万香港ドル)。

 連休前に買いが手控えられる流れ。香港市場はクリスマス休暇であす24日が半日商い、25日と26日が休場となる(本土市場は通常取引)。また、中国では来週にかけ、重要指標の発表が相次ぐことも様子見ムードを強めさせた。27日に11月の工業企業利益、31日に国家統計局などによる12月の製造業PMIと非製造業PMI、民間が集計する12月のRatingDog中国サービス業PMIなどが予定されている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米株の上昇基調や、中国経済対策の期待感などが支えだ。ハンセン指数などはプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が3.5%安、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント:700/HK)と通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)がそろって2.0%安と下げが目立った。快手については、大規模な「黒灰産」(違法・不正産業)の攻撃を受け、不適切動画が拡散されたことも嫌気されている。
 セクター別では、中国の不動産が安い。中国奥園集団(3883/HK)が3.8%、旭輝HD(884/HK)が3.6%、万科企業(2202/HK)が2.3%、広州富力地産(2777/HK)が1.9%ずつ下落した。業界の債務問題が不安視されている。
万科企業は22日引け後、満期を迎えた社債の償還期限を1年延長する提案が債権者の理解を得られなかったことを報告。猶予期間が30日延長されたものの、デフォルト(債務不履行)の懸念は強まったままだ。
 足もとの上昇ピッチが速かったスマートドライブ関連も急落。自動運転の深セン佑駕創新科技(2431/HK)が5.7%安、知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が4.4%安、文遠知行(800/HK)が2.4%安、ライダー(LiDAR)の図達通(2665/HK)が18.6%安、禾賽科技(2525/HK)が2.6%安と値を下げた。
 半面、海上輸送やコンテナリース・生産の海運関連はしっかり。海豊国際HD(1308/HK)が2.0%高、中遠海運HD(1919/HK)が1.5%高、中遠海運発展(2866/HK)が2.9%高、中国国際海運集装箱(2039/HK)が1.9%高で取引を終えた。
 本土マーケットも小幅に5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%高の3919.98ポイントで取引を終了した。資源・素材が高い。銀行・保険、ハイテク、公益なども買われた。半面、自動車は安い。不動産、医薬、軍需産業、空運、食品飲料、証券も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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