中国の経済政策が改めて材料視される流れ。先週末に開かれた全国財政工作会議では、「より積極的な財政政策を実施する方針」が示された。また、市場では、早ければ年明け1月にも預金準備率や政策金利が引き下げられるとの見方が広がっている。政策の恩恵を受けやすい銘柄に買いが先行した。
もっとも、上値は限定的。様子見ムードも漂っている。香港市場は大みそかのあす31日が半日立ち会い(本土市場は通常取引)で、年始は香港が1月1日に休場、本土が1~2日に休場となる。また、中国では31日に国家統計局などによる12月の製造業PMIと非製造業PMI、民間が集計する12月のRatingDog中国サービス業PMIが公表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が6.9%高、石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が4.2%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.2%高と上げが目立った。ネットや半導体などテック株の上昇が寄与し、ハンセン科技(テック)指数は1.1%高と他の主要指数をアウトパフォームしている。
セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が9.2%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が1.9%、ASMPT(522/HK)が1.7%、華虹半導体(1347/HK)が1.4%ずつ上昇した。
自動車や家電の銘柄も物色される。蔚来集団(9866/HK)が2.5%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.2%高、創維集団(751/HK)が2.8%高、美的集団(300/HK)が1.3%高で前場取引を終えた。中国当局が買い替え補助継続で消費を刺激する方針を示す中(補助対象の範囲については、調整・最適化が行われる見通し)、恩恵を受けるとの思惑が広がっている。
半面、マカオ・カジノの銘柄はさえない。美高梅中国HD(2282/HK)が3.7%、新濠国際発展(200/HK)が3.5%、金沙中国(1928/HK)が2.3%、澳門博彩HD(880/HK)が1.6%ずつ下落した。
他の個別株動向では、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が5.2%安。世界的な人気商品「ラブブ」の一部製品が中古市場で価格が急落していると伝わり、人気に陰りがみえたと不安視された。
本土マーケットは10日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%安の3961.21ポイントで前場の取引を終了した。不動産が安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)











