昨年以来、原油をはじめとするコモディティ相場は低調に推移しているが、商品先物取引会社、光陽ファイナンシャルトレードの梅田直人氏は「長期的には安定的に上昇する」との見通しを示す。その背景には、世界経済そのものの大きな変化があるという。


――コモディティ相場が全般的に低迷する中、金相場だけは堅調です。

 過去の金価格の歴史を振り返ると、1970年の35ドル/オンスから「第一次オイルショック」が起きた73年に100ドル台まで跳ね上がり、7年後の80年には瞬間風速的に850ドルを付けました。何十年に一度の割合で整数倍に高騰するのが金価格の歴史です。こうした歴史的な動きを踏まえれば、現在は99年の250ドルから昨年は1000ドル台と、整数倍の上昇が再開し、その延長線上には8500ドルはさておいても、2000ドル、3000ドルを付ける可能性は十分にあると見ています。

 とはいえ、一気に上がることはありません。資本市場におけるリスク回避のため、実物資産として金を買う動きと同時に、当面は円買いが続くと見ています。1ドル=70-75円台の円高もあり得ると予想していますが、円高は東京金相場の押し下げ要因になります。その反面、70年代の400円台から180円への円高局面では、金価格が1000円/グラム以下から6000円台に上昇したのも歴史的事実です。

――原油など、他のコモディティ相場の見通しについてはどうでしょうか?

 昨年、原油価格が140ドル/バレルまで急騰したのは、需給バランスの変化もさることながら、1989年の「ベルリンの壁」の崩壊に象徴される冷戦構造の終焉とともに、世界政治経済の地軸が「東西」から「南北」に大きく変化したことが原因であると考えています。東西冷戦時代は、南半球を中心とする「第三世界」は忘れられた存在で、世界経済への影響力はほとんどありませんでした。しかし、とくに1990年代後半から第三世界の一部で消費力が拡大し、資源価格に対する発言力も高まってきた結果、あらゆる資源物資価格が国際的な投機マネーと一緒になって「反乱的な高騰」を見せたのです。1999年に10ドル/バレル台だった原油価格が、わずか10年足らずで100ドル以上まで急騰したのもそのためです。


 世界経済の構造そのものが大きく変わったのですから、金や原油などコモディティ全体の相場の上昇傾向が5~10年で変わることはないと予想しています。東西から南北への世界の地軸転換には、ときにその揺り戻しもありますので、昨年までのように国際投機筋からの資金流入で一気に大きく値を上げることはないと思いますが、原油価格は毎年10-20ドルずつなだらかな上昇を続けるのではないでしょうか。少なくとも、今後も80-90年代のように10ドルや20ドルで原油が買えると思うのは、もはや「北の幻想」に過ぎないと考えています。

――そうした見通しを踏まえたうえでのコモディティ投資のポイントは?

 金を例に取れば、長期的な価格上昇を期待するのであれば現物(地金)購入や純金積立などでこつこつと資産形成をするのがセオリーです。しかし同時に、一部の資金でレバレッジ効果が期待できる商品先物取引を行って運用に弾みを付けたり、相場下落局面において「売りポジション」を持つことによって価格変動リスクを抑えたりする方法もあると思います。

 ただし、レバレッジ取引は現物取引以上に損失リスクが大きくなりますから、一定金額を下回ったら「損切り」をするといった明確なルールを決めて取引することをお勧めしたいですね。

 損切りなどのリスク管理は、頭ではわかっていても、なかなか実践できなかったり、無意識のうちに損切りを嫌ったりしてしまうことが多いものです。当社では、そうした取引における「生活習慣病」を判定するため、「トレード診断」というサービスを個人投資家の方々にも無料で提供しています。いわば、レバレッジ取引の「臨床的診断」です。当社に取引口座を開いていない方でも診断が受けられますので、ご興味があれば一度試してみてはいかがでしょう。

 また当社メルマガ「MarketWatch725」では私も毎日、戦術的なコメントを出しておりますので、ご覧いただければ幸いです。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)

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