日本経営管理教育協会が見る中国 第40回-坂本晃(日本経営管理教育協会特別顧問)
     
 地球が誕生して約46億年、人の誕生から約20万年と推計されている。今日の文明が誕生してから1万年足らずであり、この間、技術と呼ばれるものの革新により、人の生活、生き方は格段と進歩してきた。
しかし、光の面だけではなく陰の部分もあり、そのバランスの取り方の知恵は、現在でも確立していない。

1.火の誕生

 人類にとり、最初の技術革新は、火を使えるようになったことであろう。食べ物の調理を初めとして、鉄や銅などの金属が使えるようになり、道具が衣食住に役立つようになった。しかし、陰の部分では、刀など武器の製造が可能になり、人を殺傷するのに役立った。それを決定的に防止する知恵は生まれなかった。

2.力・動力革新

 人の体、筋肉の力には限度がある。その限度を超えて、大きな仕事をさせることが、18世紀に蒸気機関に始まる動力革命として始まった。電力、内燃機関さらには原子力の利用とエネルギー革命ともいえる時代へと発展してきた。化学の発達から、ダイナマイトなど火薬はトンネル掘削などに大きく役立ったが、鉄砲など、武器への応用を阻止する知恵は浮かばなかった。

 とくに原子爆弾など核爆発への応用は、国際連合での話し合いも十分とはいえないのが現状であろう。

3.頭脳・情報革新

 従来の技術革新が力というかエネルギーに関する技術革新であったのに対し、20世紀後半からの情報技術革新は、頭脳・知識に関するものである。インターネットを通じて、極めて短時間で世界中にデータや情報を伝達できるようになった。
言葉の壁は2009年現在ではまだ存在しているが、遠からず、イヤホン型の全自動翻訳・会話器で克服されよう。

 情報革新は、経済、政治、生活者の生活に大きく役立っているが、同時に、悪用を考える人たちへの阻止の方法もまだ不十分といえよう。

4.生命・遺伝子革命

 次の技術革新は、人間とその生命への応用である。誰しも不老長寿を願い、次世代の確保を求める。医療、遺伝子組み換えによる農作物や牧畜の改良などは、適切に行われる限り、歓迎することであるが、一歩間違えば、犯罪の元ともなろう。倫理を確立する革新も同時進行でありたい。

5.求められる人類の知恵

 民間で殺人をすれば罪になる。戦争と名付けられた場面では褒美の対象になる。古くから掟、法律、宗教、哲学、倫理、各種の賞などで対応を図ってきたが、未解決である。
 
 この基本的な矛盾を人類は、いつ解決できるのであろうか。

 写真は2005年の愛・地球博。(執筆者:坂本晃・日本経営管理教育協会特別顧問)

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