10月23日夜に上海の有名ネット掲示板に掲載された、少女が別の少女に暴行を加え続ける5分あまりの映像は瞬く間に各地に転載されていき話題となり、当事者の氏素性をネットに晒す「人肉捜査」も行われた。その結果、加害者は上海南湖にある職業訓練専門学校に通う学生であることがわかり、そのフルネームが公開された。加害少女に対する非難は連日ネット上をにぎわしたばかりでなく、学校の入口に少女をののしるネットユーザーが殺到するなど騒動は拡大していった。2日ほど前には「加害少女が誹謗(ひぼう)中傷に耐えかねて自殺した」という情報まで流れた。多くのユーザーが自殺記事を検索したために検索ワードランキングにも登場したが、のちに自殺情報はデマだったことが判明した。
そんな中、加害少女とその家族は27日に学校を訪れ、学校関係者や教育関係者に対して暴行事実を認めると共に謝罪を行った。情報によると、加害少女はもともと被害少女と同じ専門学校に通っていたが、今年の新学期に暴力を振るったことで現在の学校に転入したという。加害少女の両親は教育に対して無関心であり、特に父親は娘が何か問題を起こした時には暴力を振るっていたようである。学校や教育部門は「校則に従って一定の処罰はするものの、教育を受ける権利をはく奪するには至らず、退学させることも考えていない」との見解を示している。
なお、被害少女が通う学校関係者によれば「被害少女は従来通り学校に通っている。事件については沈黙を守っているが、加害少女をこれ以上傷つけたくないと語っている」とのことで、「学校としても被害少女の意思を尊重することと、未成年者保護の観点から。これ以上の事態の拡大は望まない」とコメントを出している。
彼氏の取り合いに端を発したと言われている今回の暴力映像流出事件は当事者間では一応事態の収束をみつつあるようだ。しかし、今回の事件は氷山の一角にすぎない。「子どもたちよりもまず大人が変わらなければならない」といった評論も一部メディアで見られたように、社会の根本から解決しないことには今後も同様な暴力事件や動画流出事件は後を絶たないどころか増加する一方であろう。(編集担当:柳川俊之)
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