09年の映画業界を振り返ると、昨年来の「邦高洋低」傾向が続き、興収30億円以上の邦画ヒット作が相次いで誕生した。なかでも5月30日に公開された『ROOKIES-卒業-』は、年間興収ランキング1位となる興収85億円(興行通信社調べ)を叩き出した。
そして、音楽業界においては、同映画の主題歌「遥か」を収録したGReeeeNの3rdアルバム『塩、コショウ』が大ヒット。映画の好調ぶりが連日のように報道されていた6月10日に発売された同アルバムは、12月21日付オリコンランキングで累計100万枚を突破した。容姿非公表のアーティストによるミリオン達成は、今年で42年目のオリコンランキングにおいて史上初の記録となった。
08年にドラマ版、09年に映画版と、2年連続で『ROOKIES』とその主題歌がメガヒットしたのは、女性層の支持が大きな要因だったことは間違いない。しかし、「社会現象」にまでなった背景として、30~40代の男性に「久々に男が泣けるドラマ」として支持され、その熱が子ども世代にも波及していたことは見逃せないところだ。
それを裏付けるデータとして、30・40代の既婚男女(合計650人)を対象に09年上半期映画興行ランキング上位10作品に関するアンケート調査を実施したところ、「子どもと一緒に」劇場で鑑賞した作品は、全層で『ROOKIES-卒業-』が1位に。なかでも、『ROOKIES-卒業-』を子どもと一緒に観賞した率が最も高かったのは40代男性(20.7%)だった。
40代男性が子どもと一緒に『ROOKIES-卒業-』を観賞した理由として、1位「子どもが見たがったから」(43.2%)、2位「自分がTVドラマ『ROOKIES』が好きだったから」(27.0%)と続いており、『ROOKIES』が親子2世代に訴求したことがヒットの規模を大きくしたと言えそうだ。
また、10代~40代男女を対象に行ったアンケート調査では、『ROOKIES』がGReeeeNの認知拡大にも大きく貢献したことが顕著に表れた。「GReeeeNを知るきっかけとなった曲」の設問に、10代・20代男女の59.3%が3rdシングル「愛唄」(07年5月発売)と回答したのに対し、30代・40代男女の57.5%(437人)が7thシングル「キセキ」(08年5月発売)と回答。その437人中の62.9%がテレビドラマ『ROOKIES』の主題歌を歌っているアーティストとして「GReeeeNを初めて知った」と答えている。
さらに、GReeeNの楽曲の中で好きな楽曲についての調査では、10~40代男女の全階層で「キセキ」が1位となり、とりわけ男女ともに30代・40代からの支持が高かった。
「キセキを聴くと、ドラマ『ROOKIES』を一緒に思い出して、頑張ろうという気持ちになる」(40代男性)、「キセキを聴いたら『ROOKIES』を思い出すし、『ROOKIES』を見たらGReeeeNを思い出す」(30代女性)といった声に代表されるように、切っても切り離せないほど強固なコラボレーションによって、それまで若年層の支持が中心だったGReeeeN の認知を拡大し、シングル、アルバムのメガヒットにつなげた。
「キセキ」や「遥か」が収録されたGReeeeN初のベストアルバム『いままでのA面、B面ですと!?』(11月25日発売)はオリコン週間アルバムランキング初登場1位。『ROOKIES-卒業-』(12 月4日発売)のDVDとBlu-rayDiscも初回出荷枚数で09年邦画実写映画No.1となる50万枚を記録した。2年連続でエンタメシーンを賑わせた『ROOKIES』とGReeeeNの最強コラボは、09年の年末商戦をもうひと騒がせしそうだ。
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