税務署を爆破して4人を死亡、19人を負傷させたとして身柄を拘束された劉贅衡容疑者に対して、中国のインターネットでは「英雄だ」などと称賛する書き込みが相次いだ。

 劉容疑者は7月30日午後4時ごろ、遠隔操作で湖南省長沙市の東屯税務署分局を爆発したとして、潜伏していた広西チワン族自治区桂林市内のマンションで8月8日に身柄を拘束された。
警察の捜査により、長沙市の「高官の娘」を次の標的としていたことも分かったという。

 同記事を掲載した環球網のコメント欄には、劉容疑者を英雄だと称賛する書き込みが相次いだ。中国の古典小説である水滸伝になぞらえ、劉容疑者を「梁山泊の好男子」と持ち上げたり、劉容疑者が死刑になったとしても、後に続く者が出てくるとする主張もある。

 当局が劉容疑者の動機を明らかにしていないことから、「物語」はまだ書けていないのかと、当局を揶揄(やゆ)する書き込みもある。

 劉容疑者は、「長沙市の高官の娘」を、次の標的としていたと報じられた。そのため、狙われていたのは最も腐敗している高官の娘だと決めつけ、当局が具体名を発表しないことを批判するコメントもある。

 写真は中国新聞社が報じた、劉容疑者に対する取り調べの様子。(編集担当:如月隼人)

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