■「パンダ」写真特集
報道によると、同園は9日午前、メスの「旦旦(タンタン)」に発情の兆候が表れたため、興興に麻酔を打ち、人工授精用の精子を採取していた。しかし、興興は麻酔から覚める途中で心肺停止状態になり、死亡したという。詳しい死因は今のところ分かっていない。
興興と旦旦は、神戸市と中国野生動物保護協会との日中共同飼育繁殖研究の目的で、2000年から同園で飼育が行われてきた。今年7月には10年の研究期間が満了を迎えたが、日中双方の協議により、研究期間を5年延長したばかりだった。2頭は阪神大震災の後に来日した、同市の「復興」のシンボル的位置づけで、多くの来場者から親しまれていた。
写真はパンダのイメージ。このパンダは、四川省の臥龍中国パンダ保護研究センターで今年8月、出産に成功した。手には子どもを抱えている。2010年9月4日撮影。
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◆解説◆
パンダは通常、オス・メスを問わず単独行動をとる習性があり、飼育時はメスの発情期に合わせてオスとメスを一緒にし、自然交尾による繁殖を待つ。
また、パンダの発情期は年に1度で、受精が可能な時間も数日と短いなど、繁殖が難しく、近年では生息地の減少などにより、野生のパンダが絶滅の危機にひんしているという。
今回死亡した興興は「2代目」で2002年に来日した。メスの旦旦とともに2000年に来日した「初代」興興は、性成熟不全により繁殖活動に支障があるとされ、2代目と交代し中国へ返された。(編集担当:金田知子)
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