南方週末網にこのほど掲載された関連報道は、ただちにネット上から削除され、現在は一部の転載内容のみが閲覧可能となっている。これによると、クラウド特区の正式名称は「国際オフショアクラウドコンピューティング特別管理区」、重慶両江開発区内に建設され、計画面積 10平方キロメートル、すでに着工済みという。
コンピュータ、インターネットに続く「第3次IT革命」と言われるクラウドコンピュータは、IT業界にとって極めて大きな成長分野となっている。欧米企業のデータ処理は、主に日本、シンガポール、香港、インドのデータセンターが受注しており、厳しいネット規制が行われている中国のシェアは今のところゼロの状態だ。
「クラウド特区」と国内ネットワークとは完全に遮断され、「グレート・ファイアウォール(防火長城)」の対象外となり、専用光ケーブルによって直接インターネット回線につながる計画。外資企業は特区内にオフショアデータセンターを設け、中国政府によるネット検閲を受けず、通信・データ業務の営業活動を行うことができる。
特区建設のニュースは、ネットユーザの熱い論議を引き起こした。「情報の自由が面積10平方キロメートル内に限られるとは、中国政府は恥とは思わないのか」、「特区は、『犬と華人入るべからず』のまさにネット版だ」などの声がネットに挙がっている。大多数のコメントは、「特区面積を早急に10平方キロメートルから960万平方キロメートルに拡張し、全中国人・中国企業にも同じ待遇を与えてほしい」というものだった。(編集担当:松本夏穂)
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