韓国鉄道公社によると、問題の高速鉄道はソウル駅を出発し、ソウル市の永登浦駅で停車せずに通過した。運転士に「停車すべき駅を通過した」ことを緊急通知したところ、永登浦駅より約2.6キロ離れた地点で停車。管制センターと緊急連絡を取り、逆走して永登浦駅に戻った。その後、列車は永登浦駅で108人の乗客を乗せて釜山へ向け出発した。
乗客は一連の過程において「何も連絡がなかった」ことを激しく抗議したが、韓国鉄道公社は「乗客の混乱を引き起こさないために何も伝えなかった」と説明、事故原因は「運転士のミス」と述べた。
記事によると、問題の運転士は「KTX開業以来のベテラン」であり、しかも「運転席にはGPSが備え付けられており、運転士に注意を与えていた」という。運転士は「衛星利用測位システム(GPS)の注意はなかった」と主張しているが、韓国鉄道公社内部では「まったく理解できない事故が発生した」と考えられている。
さらに記事は、「逆走」という方法に批判が出ていることも指摘。韓国鉄道公社は「管制センターが後続列車との安全を考慮したうえで、逆走を許可した」と説明。さらに公社が定める「運行規定」においても「やむを得ない状況のもとでは逆走を許可する」とある。しかし、今回の状況は本当に逆走を許可すべき「やむを得ない状況」だったのかに批判が寄せられている。