西島隆弘(AAA)、最新作はひと夏の恋を描いた青春ミステリー
6月9日より新宿ピカデリーほか全国で公開される、映画『シグナル~月曜日のルカ~』。3月に開催された「第4回沖縄国際映画祭」にて上映され、大好評。心を閉ざしたヒロイン・ルカを優しく見守り、純愛を注ぐ宮瀬恵介を演じた西島隆弘に話を聞いた。<br><br>【関連写真】<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0510&f=entertainment_0510_007.shtml&pt=large" target="_blank">中国大ヒット映画『失恋33天』、監督と主演女優にインタビュー</a>(2012/05/10)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0502&f=entertainment_0502_003.shtml&pt=large" target="_blank">マレーシア人気ラッパーNamewee、初監督映画は爆笑コメディ</a>(2012/05/02)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0425&f=entertainment_0425_002.shtml&pt=large" target="_blank">EXILE・AKIRA、パパになる準備OK「遊んで喧嘩したい」</a>(2012/04/25)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0419&f=entertainment_0419_009.shtml&pt=large" target="_blank">香港映画の重鎮、Mr.Boo!ことマイケル・ホイにインタビュー</a>(2012/04/19)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0416&f=entertainment_0416_019.shtml&pt=large" target="_blank">ともさかりえ、出演映画『ハイザイ~神さまの言うとおり~』を語る</a>(2012/04/16)<br>"(サーチナ&CNSPHOTO) 画像(1枚)
 6月9日(土)より新宿ピカデリーほか全国でロードショー公開される、<青春恋愛ミステリー>映画『シグナル~月曜日のルカ~』。3月に開催された「第4回沖縄国際映画祭」にていち早く上映され、大好評。
主演をつとめた若手たちの瑞々しく切ない演技と、脇をしめるベテラン勢の存在感がスクリーンからあふれ出る感動作であった。心を閉ざしたヒロイン・ルカを優しく見守り、純愛を注ぐ宮瀬恵介を演じたのは、若手男優の中でも演技派として評価が高い西島隆弘。デビュー映画『愛のむき出し』(園子温監督作品)が国内外で絶賛され、現在放送中の大河ドラマ『平清盛』に出演するなど俳優としてのりにのっている西島だが、男女7人組ユニット「AAA(トリプル・エー)」では、パフォーマーとして活躍中。広い視野でマルチに活動する西島に、作品の魅力や共演者のこと、そして夢について語ってもらった。

――沖縄国際映画祭に参加した感想から、教えてください。

 実は映画祭の開催中に会場に来れたのは、初めてなんです! でも今回は日帰りなので沖縄を満喫できず、とても残念。巨大スクリーンがビーチにあると聞いたので見に行ったり、映画祭のにぎやかな雰囲気を何とか味わいたいと思っています。北海道出身なので、沖縄に来て最初に見たいのは海。会場からエメラルドグリーンの海が見えて、きれいだなと感激しました。

――上映作『シグナル~月曜日のルカ~』は、脚本を読んだ時どういう感想を持ちましたか?

 サブタイトルになっていますが、月曜日にはヒロインのルカに何が起きるんだろう!? と意味深で、そういうミステリアスなところが初々しく感じました。そして登場する青年や少女はみんな問題を抱えていますが、彼らが人を好きになるピュアな部分が、すごく表に出ている作品だと思いました。出会ってから自然にお互いを助け合って、愛が深まっていくんですよね。
僕たちの日常は恋愛を始め、人と人が出会ったことでいろんな物が動き出しますが、そういう普通に起こっている出来事が、より濃く描かれている作品ですね。ヒロインのルカを演じる三根梓ちゃんは、演技経験がなくこの作品がデビュー作なんですが、精一杯にやっている姿がルカに投影されていて、熱が感じられる作品に仕上がったんじゃないかな、という感覚です。

――演じた宮瀬恵介は、問題を抱えつつも好青年でしたね。

 そうですね。素直な好青年である分、逆に自分の言葉を発さないんですよね。どうして人の言葉だけを聞き入れるようになったのか、という彼の過去を想像しながら役作りをしました。優しすぎる青年なので、見ている人はもしかして歯がゆくなるんじゃないかな~という思いを抱きながら(笑)、演じた時もありました。

――レトロな名画座が舞台ですが、映写機の操作など苦労しましたか?

 一応習いましたが、じっくりマスターする時間がありませんでした。フィルムをかける時はいろんなパーツを持ったり、映写機をブラシで磨いたりするんですけど、その感覚がプラモデルを作る時と似ていると思いました。男の人は楽しめそうです。僕は完璧には扱えませんが、梓ちゃんは完璧にマスターして、映画館で働けるくらいのテクニックを持っているらしいですよ(笑)。

――映画デビューの三根さんが相手役という一方で、ベテラン井上順さんとの共演はいかがでしたか?

 “井上さん節”という感じで、井上さんが作り出す世界がありましたね。
なのでそこに思いっきりつからせてもらって、その中でいっぱい遊ばせてもらおうという気持ちで頼っていました。撮影の合間には世間話もよくしましたよ。円高の話とか、いろいろ(笑)。

――高良健吾さんは、インパクトのある役を演じていますね。

 完成した作品を見た時、高良くんのスパイスがあって“すごくいい!”って思いました。俳優になった経緯など話していたら、何かよく似ていたんです。挫折しそうになった時期など、ほぼ同じでしたね。お互いいろんな所でうわさを聞いていた状態で、一緒にやってみたいなって思った時にお会いできたので、楽しい共演でした。

――では、“ぜひここは見てほしい”という名シーンを教えてください。

 個人的には、苦手なきゅうりを食べているところ(笑)。作品全体で言うと、ルカが恵介に“映写方法の虎の巻”を渡すシーンがあるんですけど、そこが好きです。面と向かっていない2人なんですが、ちょっと恋愛にからんでいくのかな……と、ひと結びする感じのシーンなんです。
とても好きですね。

――2009年に『愛のむきだし』でスクリーンデビューし俳優活動が順調ですが、AAA(トリプル・エー)のユニット活動との切り替えはどういう風にしていますか?

 あまり意識はしていませんね。ユニットの時は当然ですが、ライブパフォーマンスにおいてもレコーディングにおいても、メンバーと調和を取り合いながらいろんな面でバランスを保っています。一個のかたまりとして動いている感覚ですね。逆に一人でお芝居をやらせていただいている時は、特攻隊長のように突っ込むのが大好き。我が身をさらけ出してとことん突っ込んで、どこまで戦えるのかということをいつもやっています。俳優の時は、思う存分暴れさせてもらっているんです(笑)。

――俳優としても舞台、ドラマ、そして映画と幅広く活躍していますね。

 はい、でも結局は生もの……全部ライヴなんです。前からなんとなく、すべて一緒なんじゃないかなという気がしていました。そして今年の冬に『下谷万年町物語』という舞台をやらせていただいて、演出を担当された蜷川幸雄さんと話をしていたら、演じることは全部ライヴなんだと確信したんですよね。例えばこの『シグナル』という映画は、去年の夏に新潟で撮ったんですが、その時に演じているライヴをまず映像に記録しているんです。
その映像をより一層リアルに伝えようと、監督を始めスタッフの方たちがたくさんの努力をする訳なんです。記録したライヴをどれだけ新鮮に美しい生の状態でお客様に届けられるか、映画もドラマも舞台も同じに思えます。そういう感覚で今、演じさせてもらっています。

――AAAはパフィーマンスユニットとして大人気で、メンバー全員が個人でも活躍しているので、アジアや世界を舞台に、今後ますます羽ばたいていただきたいです!

 ありがとうございます。先日、小栗旬さんとお話する機会があったのですが、中国で映画を撮っているってことで大変そうでした。言葉を覚えるのに苦労し、撮影方法が全然違うと言っていましたね。芸能界の先輩である小栗さんのそういう努力を知り、進化していく姿を見ていると、僕も挑戦したくなりますね。生きている内に知識を得て、いろんな感情をいろんな所で吸収して、もっと表現力を広げていきたいです。

――最後に、西島さんの夢とは何でしょう?

 ひとりの表現者として器を大きくしていきたい、ってことですね。映画、舞台、音楽などと言った括りにとらわれたくないんです。僕自身の中では、その時々で今は音楽が好きとか、今は芝居が好きとかこだわりはあります。でもそういったこだわりを持つ前に、自分の中の表現力を磨いていきたい。
お客様に物ごとを伝えるために、いろんな事をもっと吸収したいと考えています。(取材・文責:饒波貴子)

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『シグナル~月曜日のルカ~』
東京の大学に通う宮瀬恵介は、夏休みを利用して地元の映画館“銀映館”でアルバイト。“銀映館”で暮らしているミステリアスな映写技師長、杉本ルカに出会う。バイトの採用条件として支配人と“不思議な3つの約束”をさせられた恵介は、ルカから仕事を教わるうちに惹かれていくが、映画館で迎えた初めての月曜日、ルカにある異変が起きて……。「キミの過去に何があっても、僕が必ずキミを守る」。ルカと恵介の純愛が胸を打つ、青春恋愛ミステリー。
2012年作品/監督:谷口正晃/出演:三根梓、西島隆弘(AAA)、高良健吾、井上順、宇津井健
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