北京市内で4日、テレサ・テン(1953-1995年)の生誕60周年を記念する世界巡回公演の発表会が行われた。写真は作詞家の荘奴さん。
壇上でテレサ・テンの思い出を語り始めたが、涙が止まらなくなり、絶句してしまった。(写真は「CNSPHOTO」提供)

 テレサ・テン生誕60周年の世界巡回公演では、多くの歌手が集まり、テレサ・テンのヒット曲を同一のステージで歌唱する。第1回公演は12月2日に、深セン市(広東省)で開催される。

 テレサ・テン(〓麗君、〓は「登」におおざと)は1953年1月29日生まれ。台湾を代表する歌手のひとり。1970年代から90年代にかけて、台湾だけでなく香港、マカオ(澳門)を含む中華圏全域や日本でも人気を博した。1995年に静養のために訪れていたタイ・チェンマイで気管支喘息(ぜんそく)のため死去した。42歳だった。

 中華人民共和国に対しては、中国共産党の一党独裁を厳しく非難した。台湾当局も、対大陸宣伝にテレサ・テンを利用した。中国大陸部では1983年まで、テレサ・テンの歌が「黄色歌曲(エロ歌曲)」として取り締まりの対象だった。87年に台湾の商品を大陸で販売できるようになり、テレサ・テンの歌のミュージック・テープなども、大陸で「正式」に楽しめるようになった。


 荘奴さんは1922年生まれの90歳。北京市出身だが1949年に台湾に逃れた。記者、編集者、俳優として活動したが、作詞家として大きな成功を収めた。作品数は3000を超え、テレサ・テンの持ち歌の8割前後が荘奴さんの作詞による。荘奴さんの歌詞には、言葉づかいが優美であるだけでなく、声に出して歌いやすい特徴があるとされる。(編集担当:如月隼人)
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