中国メディアの「中網資網」によると、中国航空工業集団の李玉海副総経理(副社長)が、6月に開催されたパリ航空ショーで、同社傘下の成都飛機工業がパキスタンと共同で開発した「JF-17」のエンジンが中国製エンジンに換装されると述べたことが分かった。これまではロシア製だった。


 JF-17は中国とパキスタンが共同開発した戦闘機。中国国内では「FC-1(梟龍)」、中国国外では「JF-17(サンダー)」と呼ばれる。

 同機に現在搭載されているのは、ロシア製の「クリーモフRD-93・ターボファンエンジン」だ。新しいエンジンの推力は「RD-93」よりやや大きいとされる。名称は未定だが「WS-17(渦扇-17)」になる見通しという。

 新エンジンはまだ実験室での測定中だが、李副総経理は「JF-17に搭載して試験飛行の段階」と発言したとも伝えられる。

 同機については6月中に、スリランカが購入し、2017年に18-24機を導入すると伝えられた。

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◆解説◆
 RD-93のベースになったのは、1976年にソ連のクリーモフ設計局(現在は株式公開会社のOAOクリーモフ)が設計した「RD-33」。同エンジンはモジュラー式設計などによる整備の容易さが長所とされる。「RD-93」はJF-17/FC-1用の派生機種。出力は85.4キロニュートンとされる。

 なお、中国は開発するターボファンエンジンに「GS(渦扇)」を前に置く型番をつけている。
中国語のターボファン(渦輪扇、Guolunshan)を取ったものだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO、JF-17戦闘機)


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