中国人客を「化け物扱い」するな！　報道に対して「そうだ、悪いのは日本人だ！」、「われわれには欠陥がある」の声まで＝中国版ツイッター

　中国で連休がやってくるたびに大きく報道されるのが「観光客のマナー問題」だ。１日から７日までの国慶節（建国記念日）連休でも、国内外からの話題に事欠かなかった。消火作業中に殉職した消防士を記念する像によじ登って写真を撮る若者、子どもを明朝時代に作られた動物の彫像にまたがらせる親、楊貴妃の「氷の彫像」の胸部が、さわりやすい右側だけ早く溶けてしまったなど、バラエティも豊富だ。

　中国人にとって、衝撃的だったのは北海道で発生した「事件」だ。新婚旅行中の中国人夫婦の妻が、コンビニ内で未精算の氷菓を食べた。言葉が通じないため身振りで店を出るよう求めた店員に夫が腹を立て、殴りかかった。２人は警察に逮捕された。

　中国メディアの北京晨報は、旅先における中国人のマナーについて、旅慣れず外国の事情も知らない人が海外旅行をするようになり、国内における人々のマナーにも問題が見られるとして、中国人が国外で問題を起こす場合があること自体は事実と認めた。

　記事はその上で、海外旅行をした中国人の延べ人数はすでに億単位として、一部の問題だけで「中国人の民度が低い」と論じるのは「決めつけ」と主張し、多くのメディアが同問題を取り上げるのは「不合理」と批判。さらに、欧米人のマナーも極めて劣っていると論じた。

　人民日報系のウェブサイト人民網は、微博（ウェイボー、中国版ツイッター）の公式アカウントで、北京晨報記事の概略を紹介。関心を集めている話題だけに、多くの人がコメントを寄せた。

　「いいね」を最も多く集めたのは、「われわれの隣には、とんでもない変態がいるからな。奴らは外面は本当にいいんだ」との書き込みだ。今回の連休では、中国人客のマナー問題に対する注目が、北海道における暴行事件で一挙に高まっただけに、日本人を非難したと思われる。

　ただし、「いいね」の数では、「泥棒が警察官に捕まった。その泥棒が、『他にも泥棒はいるのに、なぜ自分だけをつかまえるのだ』と警察官に言うようなもの」とのコメントも並んでいる。たとえ欧米人にマナー違反の行為があるとしても、中国人のマナーに問題がある以上、事実は事実として認めるべきとの意見だ。

　「いいね」が上位のコメントを見ると、「中国人側に問題あり」との主張の方が多い。記事が欧米人のマナー問題を持ち出したことを、「われわれもそうすべきと言うのか？」と批判し、「（中国人の）絶対的多数が自分自身のマナーを向上すれば、化け物扱いされることはなくなる」と書き込んだ読者や、記事の表現をひねって「その通り。中国人客が化け物扱いされないようにすべきだ」と、マナー問題で批判されないようにすることが大切と主張した人がいる。（編集担当：如月隼人）（写真は人民網の微博公式アカウント頁。日本のテレビ番組をキャプチャーしたと思われる画像がある）


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