タイトルの「点睛」とは、「画龍点睛を欠く」の諺のとおり「それがなければ間抜けになってしまう、とても大事なもの」のことだ。それほど日本の女性が、着飾るうえで真珠を大切にしてきたかを形容しているのである。記事は、「日本人は非常に着衣や帽子を重要視し、ネックレスについてもこだわりがある。ネックレスでは日本人は特に真珠を愛しており、真珠に関する風習やこだわりが多く存在するのだ」と説明した。
そして、女性が20歳の成人式を迎える際には、両親から真珠のネックレスやイヤリングをプレゼントされると紹介。20万~50万円はする物であり、女性はこの宝飾品と一生付き合っていくのである、とした。また、冠婚葬祭においても日本の女性は真珠のネックレスを着用することが求められる、とも解説している。
また、このような文化を持つなかで日本の真珠産業は特に養殖業を中心に非常に発達していると説明。中でも日本で主に生産されているアコヤ真珠は技術的要求が高いうえ、生産から収獲、市場に流通させるまでに約3000もの人手による工程を必要とする、実に価値の高いものであることを紹介した。関係者の話として、真珠加工で一人前になるには少なくとも5年の修業が必要とされ、収獲した真珠も約30%が廃品となり、A級品になるのはわずか8%前後であることを併せて伝えた。
記事はさらに、日本人の真珠好きは身に着けるだけに留まらず、鑑別や鑑賞、デザインといった分野においても実に愛されていると説明。各地に真珠に関する団体が存在し、全国的な団体である日本真珠振興会では「真珠検定」や、真珠の知識普及のための講座を行っているとした。
ああ、なるほど、客観的に見れば日本は特に真珠を愛する文化を持っているのか、道理で「豚に真珠」という諺があるわけだ、と思う向きもあるかもしれない。しかしこの「豚に真珠」という諺、残念ながらオリジナルは日本ではない。新約聖書に登場する一節を引用した、いわゆる「輸入もの」なのだ。似たような意味で「猫に小判」があるが、こちらはどうやら「国産もの」のようである。
ところで、「豚に真珠」と「猫に小判」には決定的な違いがある。猫に小判をくれてやってもそっぽを向かれるだけだが、新約聖書によれば、豚に真珠を投げれば「彼らはそれを足で踏みつけ、向き直って噛みついてくる」のだ。価値が分からないばかりか、かえって損害が生じるところまで説いているのが「豚に真珠」なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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