確かに香港には日系車が多い。タクシーはほぼ日系車で、一国二制度とはいえ中国の一部である香港にあまりに日系車が多いのはおかしいと思うのかもしれない。記事では香港人が分析したという3つの要因を紹介している。
まず1つ目は、「フォルクスワーゲンの立ち位置が違う」ことだ。中国ではフォルクスワーゲンは「高級車」に位置付けられており、それなりの販売台数を誇っているものの、香港では高級車とは見なされず、一般市民には日系車が選ばれていると指摘している。
2つ目は、「コスト」だ。物価が高い香港では、自動車の維持費や駐車料金などが非常に高く、節約できる日系車に流れるという。最後に、「二極化」している香港の経済事情を指摘した。経済格差がはっきりとしている香港では、ハイエンド製品かローエンド製品かのどちらかに的を絞った戦略が求められるが、維持費がかかるものの高級車とも言えないフォルクスワーゲンは中途半端に映ると指摘した。
香港では、自動車を面子の道具にしてきた中国大陸よりも、ずっと経費にシビアであると言えるだろう。日系車はその点、故障も少なく燃費も良くて経済的だ。この記事に対してある中国人は、日系車がいかに経済的かを指摘し、大陸の一般的な概念である「車は重ければ重いほど良い」というのは間違いであるとため息交じりのコメントを残している。日系車を選択する香港人は、中国人の概念よりも現実的だと言えそうだが、近年では中国本土でも日系車の人気が高まっている様子を見ると、中国でも価値観に変化が出てきているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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