近年、中国ではコーヒーの消費量が急増し、カフェ市場の競争は年々激しさを増している。中国経済網は4日、大手コーヒーチェーン・連珈琲(Coffee Box)が大量に閉店したことを報じた。
原因は資金繰りの悪化といわれており、北京市内に60以上あった店舗が現在はわずか20店舗余りにまで減少、全国での閉店率は30~40%に達するという。

 連珈琲は2012年に開業した中国の新興コーヒーチェーンだ。初期は、スターバックスや英国大手のコスタコーヒーなどの商品を出前するサービスを提供していたが、2015年8月に業態を転換して自社ブランドコーヒーの販売を開始。昨年に入って販売量が減少した背景としては、新たなヒット商品を生み出せなかったことや、瑞幸珈琲(Luckin Coffee)に顧客を奪われたことなどが指摘されている。

 2018年1月に北京で1号店を出店した瑞幸珈琲は、アプリからの事前注文でスムーズなテイクアウトを実現するなどの工夫により、わずか1年で2000店舗以上を展開するという劇的成長を遂げた。しかし、その持続性に対する懸念や、経営上のリスクを指摘する声もあるという。

 ロンドンに本部を置く「国際コーヒー機関」の統計によると、コーヒー消費量は世界平均が年2%増であるのに対し、中国は年15%増と、驚異的なスピードで伸び続けている。また、1人当たりの1日の平均コーヒー消費量を比較すると、アメリカ0.931杯、日本0.245杯に対し、中国は0.003杯。日本と比べて、中国のコーヒー消費量はまだまだ伸びる余地があることになる。昨年8月に上海で1号店をオープンした日本のドトールを含め、中国カフェ市場がどう発展していくか気になるところだ。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
台湾・蔡英文総統の「台日安保対話」要求は、台湾メディアからも皮肉られている
「地球に危機が迫っている。どうする?」 日本マンガ原作の映画『アリータ』と中国産SFを比べてみた
労働者の高齢化に悩む中国の地方部 「日本の老人は70歳になっても質の高い仕事ができる」
国際社会は警戒せよ 日本は「専守防衛」の制約を突破しようとしている
「第三の腕」に「3Dビジョン」・・・日本のロボット産業はなぜ世界トップレベルなのか? 
編集部おすすめ