中国では高速鉄道ができるまでは、遠距離移動の道具は緑皮車と呼ばれる鈍行列車が主だった。緑皮車はその名のとおり、緑色の車両が特徴的で、エアコンなどの設備はなく、1950年代から70年代にかけて「社会主義国における鉄道のシンボル」とされてきた経緯がある。
緑皮車は運行速度がそれほど速くはなく、中国の広大な国土を移動するには時間がかかるが、価格が手軽で、特に出稼ぎ労働者たちの重要な交通手段となってきた。「春運」と呼ばれる旧正月前の帰省ラッシュは毎年恒例の風物詩となっていたほどだ。しかし、今では速くてきれいな高速鉄道ができたおかげで、緑皮車の運行本数は減少しているが、それでも完全に淘汰されることなく、今でも利用されている。
その理由について記事は、緑皮車の速度や車両の新しさ、乗り心地で高速鉄道には到底かなわないが、長い歴史を有しているだけあり路線が多く、農村部にまで伸びている魅力があると分析。高速鉄道は開通していないが、緑皮車は通っている都市は少なくなく、そのうえ運賃も高速鉄道よりも安いため、出稼ぎ労働者の帰省では緑皮車が選ばれると伝えている。
記事は、「それでも緑皮車の淘汰は時間の問題」と締めくくっている。しかし、緑皮車の多くが夜行列車で、宿泊費を浮かせつつ長距離の移動ができるメリットのある緑皮車には根強い需要がある。ほとんどの路線で赤字を出している高速鉄道は、この先さらなる値上がりも予想され、安く移動できる中国の緑皮車は、今後もしばらく国民にとってなくてはならない交通手段であり続けるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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