中国メディア・環球網は28日、長時間残業や「病気でも会社に行く」という日本の「社畜文化」が新型コロナウイルスの伝染を加速させる大きな要因になっているとする記事を掲載した。

 記事は、日本や韓国で新型ウイルスの感染例が増加し続け、広く注目を集めているとしたうえで、専門家からは「長時間の残業や、病気になっても出勤するという、日本や韓国の企業に深く根差した習慣、そして薬を飲んででも出勤する『社畜のがんばり』が、ウイルスの拡散を助長する役割を果たしている」との認識が出ていると伝えた。


 そして、日本では先日、東京で集団での飲食活動に参加した会社員の男性が、活動後に倦怠感を覚えながらも出勤し続け、その後新型ウイルスのPCR検査で陽性反応が出る事例が発生、集団飲食時にウイルス感染者がいたことが発覚するという事例が起きたと紹介。和歌山県でも体調を崩した医師が新型ウイルスへの感染が確認されてから程なく、同僚の感染も確認されたとしている。

 そのうえで「一般的に、日本の会社員は風邪をひいた時も大概は休まない」と指摘。その背景には、体調不良による欠勤が「他人に迷惑をかける無責任な行為」と認識されていることがあると説明した。
 
 また、今回のウイルス流行を受けて日本政府が25日に出した指針では、発熱など風邪の症状が出た社員はすすんで休み、企業は社員が休みやすい環境を作るよう呼びかけられたと紹介する一方で、「実際のところは社員を休暇させれば企業がコストを負担することになり、金銭面の保障がなければ、従業員も休暇取得を躊躇する」とし、各企業において休暇取得が進まない可能性があるとの見方を示している。

 記事は日本の「社畜文化」の根深さを伝えると同時に、状況が差し迫る中で日本でも考え方に変化も出始めていると紹介。日本人や韓国人の知り合いから「風邪の症状が出たら、新型肺炎の可能性も考えて休むのが責任」との意見や、従来であれば体調不良で休暇を申請すると「人手が足りない時期に・・・」と嫌味を言ってきた上司が、近ごろでは逆に「すぐに帰りなさい」と指示するようになったという声が聞かれるようになったと伝えた。

 安倍晋三首相は27日に、全国の小中学校・高校に対して春休みまで休校する「要請」を出した。この判断の是非、背景を巡って世論では様々な意見が出ており、特に「共働きの親はどうしたらいいのか」についての議論が多く見られる。休校要請は、現実問題として日本の職場文化、働き方の概念を大きく揺るがすきっかけになりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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