現在中国では非識字率を下げ、効率を高めるために漢字を簡略化した「簡体字」が使用されている。これに対し、日本や台湾ではそれぞれ異なる漢字が採用されている。
そもそも簡体字が生まれたのは1956年で、《漢字簡化計画》に端を発している。以来、中国ではこの簡体字が採用され今に至っているが、その後この簡体字をさらに簡単にしようとしたことがあった。しかし、結局この案は専門家の反対に遭い廃止され、元の簡体字のままになっている。なぜこの「第二の簡体字」は廃止されてしまったのか。中国ポータルサイトがその経緯を振り返った。

 理由は、「簡単になりすぎてよくわからなかった」から。そもそも、漢字は象形文字や、記号を漢字化したものが由来になっている。漢字を簡単にしすぎてしまったことで、漢字本来の意味が失われ、分かりにくくなってしまったとのこと。

 さらに簡体字を簡単にして手書きで書いたところ、日本語の「ひらがな」に似てしまっている、との指摘も相次いだ。そもそも、日本語のひらがなも、漢字が由来になっているため、こうした現象が生じるのは不思議ではない。とはいえ、中国の漢字としての独自性と利便性を高めようとして作った「第二の簡体字」が結果的にひらがなに酷似してしまうという皮肉な結果になってしまった。結局、この法案は一年もたたずに廃案になってしまったとのことだ。


 記事はさらに、現在の簡体字にも疑問を呈している。「簡体字の愛は?と書き、“心”が抜けてしまっている。愛に心がなくなってしまったら愛と言えるだろうか」と述べ、簡体字が識字率の向上に貢献してきた事実を認めつつも、漢字本来の意味が失われている現状を疑問視している。

 この記事に対しコメント欄では「台湾は繁体字を使っているけど、非識字は少ないぞ」と突っ込まれていた。たしかに、簡体字と非識字の減少にあまり関係がなく、それはあくまで教育政策の問題とも言える。漢字文化圏である中国、台湾、日本で、漢字はそれぞれ独自の進化を遂げてきた。今はそれぞれ別々の漢字を使っているが、今後それらが統一される日は来るのだろうか。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)


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