かつては高い品質で世界一と謳われた日本の鉄鋼業界だが、現在はどうなのだろうか。中国メディアの百家号は8日、「日本の特殊鋼が米国を30年リードしているというのは本当か」と題する記事を掲載した。


 記事はまず、日本の鉄鋼業界の評判を紹介。武器製造にも使える特殊鋼の分野では、日本は品質でも輸出総額でも際立っており、「このような技術を持っている日本は、将来的に先進的な武器を製造するのに何の問題もない」と軍事マニアが感嘆するほどだと伝えている。記事によると、特殊鋼の品質では米国の30年先をいっているという噂(うわさ)もあるという。

 日本が特殊鋼の分野でこれだけの成果を出すことができている理由について記事は、鉱物資源が乏しい日本では、「鉄鋼の質を上げる」ことで付加価値を高めたと分析。ベトナム戦争による戦争特需も質の向上に刺激を与えたと説明した。しかし「今は違う」と主張している。

 記事によると、日本の特殊鋼は質が高いものの、軍事へはうまく利用できていないそうだ。日本の軍事産業は近年低迷していて生産数が少なく、受注数が限られているので、メーカーは質の高い特殊鋼を提供しなくなったと主張した。さらに、米中ロの技術力向上ともに日本の優位性は消えてきて、特に最近では日本の品質を上回る特殊鋼の研究開発に中国は成功しており、「日本を超えた」と自画自賛した。

 近年の中国は、米中貿易摩擦を受けて景気刺激策として粗鋼生産量を増加させてきた。さらに2020年にはコロナ禍からいち早く経済活動を再開した強みを生かし、インフラ工事に力を入れているため需要も大きい。日本の鉄鋼業界には厳しい情勢だが、「世界一」と言われた確かな技術力で競争力を取り戻してほしい。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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