インドネシアでは現在、首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間およそ150キロを結ぶ高速鉄道の建設が進められている。このプロジェクトはもともと日本の受注が確実視されていたが、後から受注競争に参加した中国によって受注を奪われた経緯のあるプロジェクトだ。


 インドネシアが突然「白紙撤回」を表明したものの、その直後に「再開」と「中国案の採用」が発表されるという不可解な経緯もあったプロジェクトであり、日本にとっては「いわくつき」のプロジェクトだと言えるだろう。

 いずれにせよ、インドネシア側は中国案を採用しただけあって、中国高速鉄道を高く評価しているようだ。中国メディアの騰訊は12日、「インドネシアの外交官が中国高速鉄道を称賛している」と紹介する記事を掲載した。

 記事は、インドネシアメディアによる報道として、ある外交官の話を紹介している。中国に滞在経験のあるインドネシアの外交官が中国高速鉄道について語ったという。この外交官は中国に来たばかりのころ、高速鉄道の「駅」を見て、近代的な建築ときれいな床、荷物検査のスピードの速さに驚いたそうだ。

 また、「高速鉄道網」が中国全土に網の目のように張り巡らされていること、多種多様な気候と過酷な地理的条件下でも路線を建設してきた「技術」、それに「営業速度の速さ」も称賛していると胸を張った。最後に、この外交官はインドネシアの高速鉄道の早期の完成に期待を寄せたと締めくくっている。

 中国側はインドネシアの高速鉄道を「一帯一路」を構成する重要な路線としたい考えのようだが、2020年にはインドネシア政府がコロナ禍を理由に、高速鉄道の延伸で日本に協力を要請するとの報道もあった。高速鉄道というインフラをめぐるインドネシアや日中の駆け引きは今後も続くのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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