かつては爆買いが社会現象になったこともあるほど、日本製品は中国人に大人気だった。近年では海外旅行が珍しくなくなったうえ、越境ECの普及により、中国の自宅にいながら日本製品を買えるようになったためか、爆買いを見ることは少なくなった。


 とはいえ、中国人消費者たちの「日本のものは良い」という認識は変わっていないようだ。中国メディアの百家号は29日、中国人は「日本が中国から安価に仕入れたものを、日本を訪れた際に高額で買い戻していた」と主張する記事を掲載した。

 コロナ禍前の話だが、中国人旅行客が日本で買った商品のタグをよく見てみると「実は中国製」だったというのはよく耳にする話だった。日本製と書いてあっても、最後の組み立てや包装だけを日本で行っているケースもあったようだ。せっかく訪日した以上は本当の日本製品が欲しいと願うのはごく自然のことだ。だが、実は「中国でも簡単に買えるもの」を日本で購入していたとすれば、大きく落胆するであろうことは想像に難くない。

 記事は一例として「岩塩」を紹介している。日本では基本的に「岩塩」は採掘されないため、日本で販売されている岩塩は海外から輸入したものだ。記事によると、日本で販売されている岩塩のなかには中国から輸入したものも多く、中国で500グラムあたり数元(数十円)ほどで売られているものが、日本で高額で売られているケースがあり、しかも、その岩塩を土産に買って帰る中国人は多かったと指摘した。

 中国産の岩塩がどこまで高いかはさておき、今でも中国人が日本製品を信頼しているというのは確かだろう。特に日本の食品には安心安全のイメージがあるため、健康志向の中国人が安心を求めて買っていくケースは多かったようだ。また、日本で販売されているものは岩塩に限らず、どれも美しくて使いやすく商品化されている。
記事は日本企業の得意とする「パッケージング」と「宣伝」の手腕を認めている。

 もとは中国で採掘されたものが、日本で販売され、中国人観光客に喜んで購入されている、というのが面白くないのは理解できる。しかし、それだけ中国人が中国製品に対して疑心暗鬼になっているということであり、日本で岩塩を買う中国人を批判するよりも前に、まずは中国人消費者の信用を得られるよう努力するのが先ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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