アイリス 飲料事業に本格参入 天然水と炭酸水で初年度50億円計画 25年に300億円へ
大山晃弘社長(アイリスオーヤマ)
アイリスオーヤマは、天然水と炭酸水で飲料事業に本格参入し、初年度に50億円、2025年に300億円の事業規模にしていく方針を明らかにした。

同社は約30億円を投じて富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)の一部を改修して専用の生産ラインを新設。
稼働開始した18日、同工場で発表した大山晃弘社長は参入の理由について、災害発生時の断水対応に加えて「富士山の玄武岩層で何度も磨かれたお水をこのたび採取することができ、ミネラルバランスのとれたスッキリとした水を日常的に使っていただき、何か起こった時には一気に確保できるといった日常でも非日常でもお役に立てられる飲料を用意した」と説明した。

商品は「富士山の天然水」(500㎖PET、2ℓPET)と「富士山の強炭酸水」(500㎖PET)をラインアップし、今後については「異なるサイズやフレーバーを検討している」。

中間流通を通さない直送で物流コストを削減することで、「富士山の天然水」500㎖PETで参考価格税別98円の値頃感を打ち出し、ホームセンターとECをメーンチャネルに、スーパー、ドラッグストアでも販売する。

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大山晃弘社長(アイリスオーヤマ) 手売りでは関東・東日本を中心に販売し、ECでは全国8工場の倉庫を活用し全国エリアを対象に販売していく。

専用ラインの1時間当たりの製造能力は、「富士山の天然水」(500㎖PET)が750㎖、「富士山の強炭酸水」(500㎖PET)が650㎖。同工場内でペットボトルを内製化し全工程が自動化された点が特徴となっている。

福島県沖地震後の断水受け30億円追加投資

段階的に設備投資をしていきながら事業規模300億円を目指していく考えで、直近では2月13日に発生した福島県沖地震による各地での断水の発生を受けて約30億円の追加投資を決定。今年10月をめどに第2ラインを増設し生産・供給能力を2倍にしていくことが、この日明らかにされた。

「それ以外にも需要増が見込める場合は、さらなる追加投資を今後、検討していく」と意欲をのぞかせた。
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