ミニストップは、これまでの加盟店と本部のフランチャイズ(FC)契約の内容を抜本的に見直した「ミニストップパートナーシップ契約」の運用を1日から開始した。19年4月に方針を明らかにしたもので、20年9月には新たな契約の枠組みを策定。
現在のコンビニ業界で主流の契約方式であるロイヤリティモデルでは、加盟店の売上から実際に販売した商品原価を引いた金額を「収入」とみなし、そこから本部に支払うロイヤリティ、廃棄ロスや人件費などの店舗営業経費を差し引いた額が加盟店の最終利益となる。売れ残り廃棄した商品の仕入原価をはじめとした経費の大半を、オーナー側が一方的に負担する構図の「コンビニ会計」には批判が付きまとっていた。
新契約では経費負担構造・利益配分構造を変革し、現行のロイヤリティモデルから事業利益分配モデルに転換。店舗運営のために必要であると契約上定められた経費を「事業経費」として計上し、売上総利益高からそれを差し引いた「事業利益」を加盟店と本部で分け合う形とする。従業員が長く安心して働けるよう、法定福利費も事業経費化するという。
昨年9月の会見で「今回われわれが考えているのは、いわゆるコンビニ会計からの脱却だ」と明言した藤本明裕社長。「コンビニのFCシステムは優れた仕組みで、当社も業界も大いに発展してきた。しかし昨今の環境変化に適応できず、不都合が目立ってきた。
ただ新契約における成長モデルは、日販の向上が加盟店・本部にとって大前提。同社の試算によれば、日販40万円の場合には加盟店の純利益はこれまでと変わらないが、50万円の店では約15%アップ。さらに日販が増えるにしたがって、加盟店純利益は現行契約よりも増えるという。
逆に、日販を改善できない限り移行の意義も見いだせない。同社ではこれまで、おにぎり全品を100円にするなど躍起のテコ入れ策を実施。ローコストオペレーションを徹底するとともに、昨夏には大量閉店を行うなど、思い切ったリストラも進めた。
「残念ながら日販が他社よりも低いことは事実。加盟店の経費が増えたら本部の取り分が減る構造となり、一緒に投資していこうという形になるので、商品への投資を増やして日販を上げていきたい」と、1年前に藤本社長は語っていた。
ただ前期の既存店日販は5.2%減となり、全店売上高、営業総収入とも7%あまりの減少。
いまだコロナ禍の出口が見えず、業績立て直しも道半ばの状況で、予定通り新契約の導入に踏み切ったミニストップ。業界の在り方に投じられた一石が、いまだ静観を決め込む同業他社の間にも波紋を広げそうだ。