500㎖ペットボトルコーヒーは新規獲得が頭打ち コカ・コーラ「ジョージア」と「コスタコーヒー」で新戦略
左から「ジョージア ショット&ブレイク 微糖」「同ブラック」と既存品の「同 ジャパンクラフトマン ブラック」(コカ・コーラシステム)
日本コカ・コーラの成岡誠マーケティング本部コーヒー事業部ディレクターは9月10日取材に応じ、500㎖ペットボトル(PET)コーヒー市場について「コーヒー飲料(RTD)を飲まない新しいユーザーを取り込むことに成功して近年のコーヒー飲料市場の成長を支えてきたが、新規獲得が順調に伸びなくなり上限に達しつつある」との見方を示した。

この考えの下、同市場で展開する「ジョージア ジャパンクラフトマン」の役割も今後見直しを図る。
「新規獲得のエンジンとしてではなく『ジョージア』のコア商品としてしっかり立てていく」考えだ。

現在、7月に発売開始した195㎖PETの「ジョージア ショット&ブレイク 」と4月から新たに展開している欧州のカフェブランド「コスタコーヒー」(270㎖PET)などの反応をみながら次年度の戦略を策定している。

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左から「ジョージア ショット&ブレイク 微糖」「同ブラック」と既存品の「同 ジャパンクラフトマン ブラック」 直近の秋冬については、ホットの展開を強化する。

「『ジョージア ショット&ブレイク』だけではなくて今年は『コスタ』でもホット展開できる。これらを含めてホットでの展開強化は重要な施策の1つだと考えている」。

ホット展開に先立ち9月6日からは、ショート缶のみで昨年9月に開始していた「ジョージア 運だめし缶」を進化させた「“当たり付き”ジョージア キャンペーン」を実施している。

これは、裏面にシリアルコードを記載した赤いプルタブ付きの「ジョージア」ショート缶と、パッケージに二次元コードを記載したPET・ボトル缶の「ジョージア」商品を対象に、キャンペーンサイトにアクセスして当たりが出ると賞品が贈られるもの。(写真下記事続く)

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「当選の結果報告とともに、どこで引き換えられるかをしっかりコミュニケーションしている」という。 山田孝之さんと広瀬アリスさんが出演するTVCM「あれ、何してるの?」篇で「“当たり付き”ジョージア キャンペーン」を訴求(日本コカ・コーラ)
「当選の結果報告とともに、どこで引き換えられるかをしっかりコミュニケーションしている」という。
山田孝之さんと広瀬アリスさんが出演するTVCM「あれ、何してるの?」篇で「“当たり付き”ジョージア キャンペーン」を訴求(日本コカ・コーラ) 賞品は、コカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」対応自販機で「ジョージア」商品1本と交換できる「Coke ONドリンクチケット」を250万人分とLINEポイント(20ポイント)を50万人分用意している。

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「ジョージア ショット&ブレイク ブラック」(コカ・コーラシステム)
「ジョージア ショット&ブレイク ブラック」 「ジョージア」の商品施策については「『ショット&ブレイク』を定着させるための継続サポートに力を入れていく」考えだ。

「ショット&ブレイク」は、再栓できないショート缶ではとらえきれなくなってきているショートブレイクの機会に向けて開発されたもので、ショート缶でとらえきれないシーンとしては中味をこぼせないパソコンでのデスクワークや電車の待ち時間など時間に余裕がないシーンなどが挙げられる。

その開発にあたっては「中味については『ジャパンクラフトマン』のように飲みやすくチビダラ飲みに最適な味わいではなく、ショート缶で大事にしているコクとキレを打ち出した。
見た目も工夫しショート缶ユーザーにもわかりやすく、少しショート缶と距離がある新しいユーザーも手に取りやすいデザインを心がけた」と振り返る。

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「コスタ ブラック」と「コスタ カフェラテ」(コカ・コーラシステム)
「コスタ ブラック」と「コスタ カフェラテ」 導入後の販売状況は上々で、特に「ショート缶を今まで飲んでこなかった方を獲得し、昔ショート缶を飲んでいた離反層が結構戻ってきているという実感を持っている」。

課題は、ショート缶ヘビーユーザーの獲得で「ショット&ブレイク」がショート缶の代替になることを伝えてヘビーユーザーの飲用機会を広げていく。

「どのような方法が最適なのかを検討しているところ。1つ言えることは『ショット&ブレイク』は中長期的に育成していく商品ということで、しっかり腰を据えて取り組んでいく」との考えを明らかにする。

一方、「コスタ」は4月12日に発売開始したところ想定を上回る売れ行きで品薄状態となり一時的に出荷を停止。「コスタ ブラック」と「コスタ カフェラテ」の2品の増産体制を整えて6月7日納品分から販売を再開した。

再発売後の状況について、日本コカ・コーラコスタディビジョンのチョータイ アンキット シニアブランドマネジャーは「順調に推移している。家での時間が増え、そこでの気分転換のための“おいしいコーヒー”として選ばれていることがポイント」と説明する。

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日本コカ・コーラの成岡誠氏とチョータイ・アンキット氏
日本コカ・コーラの成岡誠氏とチョータイ・アンキット氏 「コスタコーヒー」が狙うのは、レギュラーコーヒーなどの手淹れコーヒーしか飲まない人(非RTDコーヒーユーザー)とRTDコーヒー併飲層をあわせた6千400万人規模のコーヒーユーザー。

現在、狙いどおりの層が獲得できているという。「『コスタ ブラック』についてはレギュラーコーヒー飲用層からも買われているというデータもあり、併飲者と手淹れコーヒーにこだわっている方の両方がしっかり取れている。
年代も狙いどおり30~50代が獲得できている」と語る。

秋冬に向けては、ホット展開を含めて「さらなる認知向上の機会や飲用体験の機会をどんどん作っていく」と意欲をのぞかせる。
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