
成長市場であることから各社とも弛まずチャレンジを続けている。特に今年、トップに猛追すべくコカ・コーラシステムとサントリー食品インターナショナルが大規模マーケティングを仕掛けたが、春夏商戦を終えトップの地位を揺るがすまでのインパクトを与えることはできなかった。
「ウィルキンソン」がシェアを堅持した要因について、10月20日取材に応じたアサヒ飲料の内田晴久マーケティング本部マーケティング一部無糖炭酸・果汁グループリーダーは、品質・信頼感・ブランドの格好良さの三つを挙げる。
アサヒ飲料の内田晴久氏 品質に関しては「実感レベルでガス圧が強くて、しかもそのガスが抜けにくく『ガス持ちがいい』点がわれわれの強み。競合他社も注力しているが、SNSなどをみると『やっぱり一番ガス圧が強いのはウィルキンソン』といったお声が多く実感レベルでご支持いただいている」と述べる。
ブランドの中で高い伸びをみせている大容量の1Lサイズも「PBや廉価販売の大容量品が席巻する中で、強いガス圧でガス持ちがいいイメージをとても強く持っていただいている」という。
信頼感と安心感は、100年を超える歴史や伝統によるもので「実際に『ウィルキンソンであれば間違いなし』ということでバーテンダーからも愛されている。そのような訴求もお客様に伝わっている」とみている。これにより競合商品から炭酸水にトライアルしたユーザーがヘビーユーザー化するにつれて「ウィルキンソン」に流入する動きもみられるという。
ブランドの格好良さも「しっかり根付いている」と述べる。「女性層は自然でやさしいイメージに惹かれるかもしれないが、大半の生活者が炭酸水に求めるイメージはガス圧が強くて刺激的といったイメージで、そこに合致しているのが『ウィルキンソン』と分析している」と続ける。
8月と9月の低温の影響で炭酸水市場の成長が鈍化したとみられる中で、「ウィルキンソン」の1-9月販売実績は3%増の2千285万ケースを記録。
ボリュームゾーンの「ウィルキンソン タンサン」の安定成長に加えて、「ウィルキンソン タンサン レモン」が女性層も取り込んで二ケタ増となった。1ℓサイズやマルチパックもブランドの成長に寄与した。
今年は14年連続成長と業界でメジャーブランド入りとされる3千万ケースの大台突破に王手をかける。