
「ブレンディ ナチューム」の狙いは、スティック飲料を手に取ったことのない20~30代女性の新規ユーザーやスティック飲料離反層を獲得することにある。「スティック市場は順調に成長しているが、これは1人当たりの飲用杯数が増加していることによるところが大きく、過度な価格競争に陥らず市場を健全に育成していくためには、間口(飲用層)の拡大が課題だととらえている」と述べる。
開発に着手したのは19年。「スティックは甘すぎる」や「ナチュラル素材で小腹を満たせるものが欲しい」といったスティック飲料への要望に耳を傾けてコンセプトを固めていったという。豆乳やアーモンドミルクなどの植物性飲料の拡大やベジラテのトレンドに着目し、これらの共通点として「素材由来の栄養がとれるところがポイント」と分析する。
これを受けて「ブレンディ ナチューム」では、低糖質や糖質オフといったストイックに我慢する健康ではなく、素材由来のやさしい甘さを前面に押し出している。
「新しいユーザーを取り込むには、ナチュラル&ヘルシーな素材でつくられたギルトフリーなラテが切り口になると考えた。ギルトフリーには、甘さやカフェインの罪悪感払拭にとどまらず、素材由来の栄養が無理なく摂れることも含まれている」と説明する。
甘さについては「白砂糖の代わりに宮古島産のきび糖をメーンに使用している。これにより甘すぎず後に残らないやさしい甘さを実現した」。
「ナッツのラテ」「かぼちゃのラテ」「紫いものラテ」の3品を揃える(ブレンディ ナチューム) ラインアップは「ナッツのラテ」「かぼちゃのラテ」「紫いものラテ」の3品。3品とも4本入で想定定番売価は300円。
3品共通の特徴としては、前述のきび糖使用に加えて、ノンカフェインと食物繊維入りが挙げられる。1杯(1本)当たりの食物繊維は「ナッツのラテ」と「紫いものラテ」が4.3g、「かぼちゃのラテ」が4.0g。このうち「紫いものラテ」と「かぼちゃのラテ」には、新たな試みとして野菜パウダーを本格的に使用している。「初めての原料が多く、素材を混ぜ合わると、香り立ちが立たなかったり液色が変色したりして、研究所と試行錯誤を重ねて改良していった」と振り返る。
「ナッツのラテ」では、豆乳パウダーとアーモンドミルクパウダーを使用し「香ばしさの中にもまろやかさが感じられるようにした」。スープと思われないように意識したのが「かぼちゃのラテ」で、契約農家で育てられた栗かぼちゃに、しょうがをアクセントに合わせて「甘みがある中でピリッとアクセントも感じてもらい、しっかりラテとして楽しめるようにした」。
「紫いものラテ」は九州産の紫いも「あやむらさき」を使用し、いもとの相性がよく腸活イメージのあるとされる、きな粉を組み合わせている。
「紫いものラテ」と「かぼちゃのラテ」は、数ある野菜の中で、かぼちゃと紫いもが食物繊維が豊富でスイーツにも使われている嗜好性の高さに着目し、開発された。
「ブレンディ ナチューム」では情緒的価値を意識したパッケージも特徴。「嗜好飲料はいくら健康と言っても美味しいことが最優先。
新規ユーザー獲得のため、売場への提案やプロモーションにも工夫を施している。

プロモーションでは、ターゲット層への有力な接点としてロフトの一部店舗で10月15日から11月4日まで売場を展開。「ブレンディ ラテキット」「ブレンディ カフェラトリー スティックザ・シリーズ」とともに販売し、ツイッターではプレゼントキャンペーンを展開している。ターゲット層への接点としては美容室にも着目し関東エリアの美容室へのサンプリングを予定している。
飲用シーンは、夕食前の小腹満たしや夕食後のリラックスタイムを想定。コミュニケーションは、「小腹すきがちコバラさん」を登場させた2種類の動画を公開し、ギルトフリーなおやつラテを訴求している。
今後については「『ナチューム』の認知を獲得していくためにSNSとデジタル施策に加えて新商品も積極的に展開していく」考えを明らかにする。
【動画】「小腹すきがちコバラさん」
https://twitter.com/agfcm2/status/1371838666381783040