コロナ禍の影響による行動規制で大きなダメージを受けた鉄道輸送。それに付随する駅ナカ事業もかつてない逆風にさらされた。
売店、コンビニ、土産店など200店超を運営する東海キヨスクも例外ではなく、前3月期の売上は6割減と厳しい展開を強いられた。

「定番をはじめ、良い商品、目新しい商品は置いてある。しかし、お客様を店に引き込む努力を本当にしているのだろうか」。今年6月から同社トップを務める加藤公一社長の社内改革は、ここを出発点とする。

加藤社長は昭和55年4月国鉄入社。以降、管理部門を中心にキャリアを重ね、近年はJR東海グループ3社のトップを歴任。このほど、コロナ禍で苦戦を強いられる駅ナカの主役復活を任された。

「新幹線の利用客数が今年度末で8割程度まで戻るだろうとJR東海が先頃発表した。それに伴い当社の数字もかなり回復するとは思うが、それだけでは私自身の使命を果たしたことにならない。運営力を高め、プラスαの利益を上げること。そして当社の店舗を目的地として来ていただけるお客様・ファンを増やすことを目指した売場・品ぞろえ改革を進めていく」(加藤社長、以下同)という。

商品展開については、「おにぎりやサンドイッチなどの継続的なブラッシュアップに加え、

①定番以外の発掘と週替わり・月替わりなど数量限定・イベント性の高い商品の販売
②積極的な情報発信
③EC強化

の3点に取り組んでいく」構え。


①に関しては、地元の銘品をはじめ期間・数量限定商品の販売、JRの輸送機能を生かした早朝出来立て商品の越境販売(例えば大阪→東京)などを実施。8月に改装したコンビニ「ベルマートキヨスク一宮中央」、11月に改装した「ベルマートキヨスク高蔵寺」では、店前コンコースでも販売が行える移動棚を導入した。

②では、10月からツイッターで「キヨスクグルメ部」を発足し、商品・イベント情報を発信。今後はインスタグラムの新規開設とホームページの刷新も計画しているという。

そして③として、JR東海グループを挙げてのECモールの構築。JR東海ではすでにECショップ「いいもの探訪」を展開しているが、来春新たにグループサイトを開設。同社も出店する。

店舗運営力の強化も大きなテーマだ。「まずは店長の意識改革が必要と考え、今夏第1弾研修を実施。下期10月から研修プログラムを本格導入した。あわせて取り組んでいきたいのは、お店を支えるパート・アルバイトスタッフの育成。彼・彼女らにも自分が働く店の売上、利益を上げるにはどんなことをすべきか、考えて動けるようになってほしい。
そのためにも店長は率先垂範し、スタッフの自覚を促す必要がある」。

下期から新たな評価制度も採用した。優秀な成績を収めた店舗にはスタッフを含めた全員に報奨金を出すというものだ。「頑張った人がきちんと評価される。それによって働くモチベーションを高め、さらに店舗が活気づく。そういうプラスの循環を作り上げていきたい」。
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