「翠(SUI)」「ROKU(六)」の国産2ブランドで市場をけん引するサントリースピリッツ。
ハイボールやレモンサワーのようにジンをソーダで割って楽しむ「第3のソーダ割り」として食中酒需要の創出に取り組み、24年に国産ジン売上高100億円を目指す。
とりわけ1本1千円台で気軽に買える「翠」は、若年男女のトライアルを獲得。購入者のうち、初めてジンを飲むユーザーが8割弱を占めたという。取り扱い小売店も昨年は3倍以上に増えたほか、飲食店向けの業務用も急拡大を続ける。
新たに缶も加わる「翠」(サントリースピリッツ) 今年の目玉はRTD「翠ジンソーダ缶」(350㎖175円/500㎖237円/度数7%)。ジンの伝統ボタニカル8種のほか柚子・緑茶・生姜という3種の和素材を組み合わせ、日本の食事に合う「翠」の味わいを缶で気軽に楽しめる。2月15日にコンビニ先行発売。3月22日から全国で発売する。
中身は「翠」を缶専用にアレンジ。和素材を漬け込んだ浸漬酒のほか柚子の蒸留酒も配合した。
「缶はソーダで割って時間が経ったものを飲むので、香りの強さが多少変わる。
初年度150万ケースの販売を計画。「非常に大きな目標だが、自信をもってお届けする商品。おいしさをもっと手軽に体験していただき、第3のソーダ割りとしての地位を確立したい」(神田秀樹社長)と意気込む。
国産プレミアムジン「ROKU」は60か国以上で展開中。高価格帯ジンで世界2位のブランドへと成長した。業務用は和食業態やバーなどにターゲットを絞り、顧客との接点作りを進める。
独特のクセがあるためトニックウォーターで割って飲まれることが多いジンだが「『ROKU』開発に当たり、さまざまな素材を従来のジンと合わせる作業をした過程で、ソーダ割りでも十分食事に合うジンが作れると気づいた。その要素をぎゅっと取り出して作ったのが『翠』だ」(村上氏)。
「翠」も4月からアジア向けの輸出開始を予定する。「ジャパニーズ・ジン」の存在感が高まりそうだ。

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