
中容量PETコーヒーは2017年に「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)が登場し、コクを感じさせながらも止渇性に重きを置いたすっきりした味わいで旋風を巻き起こし市場が形成。以降、各社が追随し市場規模が膨れ上がるにつれ新規ユーザー獲得が滞り足踏み。これにはPET紅茶など同形状の他カテゴリー商品も影響したとみられる。
再活性に向けて「クラフトボス」は、在宅勤務増加といったコロナ禍による環境変化に対応すべく20年9月に全面刷新。「ブラック」は香りを、「ラテ」はミルク感を強化した。さらに21年には発売5年目の大刷新として「ボコボコボトル」を採用し「見た目からおいしい」を追求。主にこれが奏功して「クラフトボス」のコーヒーは21年に1割増を記録した。
「ジョージア ジャパン クラフトマン」(コカ・コーラシステム) 今年は音楽をテーマに掲げてコーヒー3品を再びリニューアル発売し、中味は「ラテ」のみ刷新して香りを強化した。加えてブラックコーヒーの可能性を拡げる狙いから、飲みやすさをより重視した「贅沢コールドブリュー ブラック」を新発売した。
これに対し「ジョージア ジャパン クラフトマン」(コカ・コーラシステム)は今年、既存ユーザーの飲用杯数増加を目的に中味・パッケージともに磨きをかけた。「ポイントは『続くおいしさ』。
日本コカ・コーラによると、中容量のPETコーヒーを開栓してから飲み終えるまでに要する時間を5、6時間と試算。「PETコーヒーのそもそもの飲まれ方としてチビダラ飲みを想定している。その上で、コロナ禍を踏まえて在宅勤務も明らかに割合として増えてきており、少しずつ気分転換したいニーズが明らかに大きくなっていることに対しての味覚設計となっている」と語る。

今年は在宅時間増加などの環境変化を受け「ワンデイ ブラック」のパッケージを刷新し3月中旬から発売。「ワンデイ ラテ微糖」は中味・パッケージともに磨きをかけ4月5日に発売開始。
UCC上島珈琲も在宅時間増加に着目。「コーヒーの飲用シーンは多様化しPETコーヒーについても喉の渇きを潤すことのみならず本格的な味わいや香りにこだわる傾向にある」(同社)との見方を示し、3月21日に「COLD BREW」ブランドから新フレーバーとして「LATTE」を新発売し「BLACK」の香り・味わいを向上させて「DECAF」とともにパッケージもリニューアルした。