日本アクセスは、冷凍物流のパレット化を推進する。2024年問題やドライバーの人手不足、長時間待機などの課題解決に向けて、フローズン業界全体でパレット積みによる一貫パレチゼーションの導入を目指す。
15日に開いた「第10回アクセスロジ会」で、物流パートナー各社を前に佐々木淳一社長、宇佐美文俊取締役常務執行役員ロジスティクス管掌が冷凍マザーセンターによる物流課題解決に向けた取り組みを説明した。
同社では一昨年から冷凍マザーセンターのテスト運用を進め、今年1月には本格運用を開始。埼玉県加須市に「関東フローズンマザー物流センター」を開設した。マザーセンターは、メーカーの工場・出荷拠点とアクセス配送拠点の中継拠点としての役割を担い、現在16社92アイテムで原則パレット単位での入庫・出庫作業を行っている。
従来のバラ納品では満載時で平均2時間弱の荷降ろし時間が発生していたが、パレット納品の荷降ろし時間は平均30分程度に短縮。作業生産性は3倍以上の効果が出ているという。
バラ納品時の手積み・手降ろしはドライバーの長時間待機の要因となっており、フローズン流通の現場では工場から卸物流センターまでの間で何度も積み替え作業が行われているケースもある。こうした現状を踏まえ、佐々木社長は「2024年問題を前に、パレット化の推進は冷凍物流の課題解決に向けた重要な取り組み」と強調した。
同社では今期からの新3か年計画(22-24年度)において、各エリアでのマザーセンター配備を計画。22年度末には近畿、23年度に中部と東北、24年度には九州で稼働開始を予定する。
冷凍メーカーにもパレット化の推進を呼びかける。低温分野ではアイスクリームはパレット化が比較的進んでいるが、冷凍食品のパレット化は遅れている。水産品など海外原料は冷蔵倉庫での保管に効率的なT12パレットで運用され、加工食品で主流のT11パレットとサイズが異なることや各社が自前のパレットを使っているケースも多く、標準化が課題となっていた。
ドライバー不足や長時間待機など、冷凍物流の社会的課題解決に向けて、「メーカー各社と協議し、業界全体で一貫パレチゼーションの推進を呼びかけていきたい」(宇佐美常務)と語った。
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