2050年には高品質なコーヒーのために使用されている土地の約半分が非生産的なものになると言われ、将来にわたりコーヒーを安定的に調達するためには、気候変動への対策や農家の生計改善への支援・生産性維持などの取り組みが急務とされる。
UCCはこの課題に向き合うため、2030年までに自社ブランドを100%サステナブルなコーヒー調達にする目標を掲げており、今回、その実現に向けて一歩踏み出した。
サステナブルなコーヒー調達に関する独自基準を制定し、独自基準を満たしたコーヒー豆を50%以上使用した新製品を発売する。
独自基準は「地球」「人」「製品」の3つを軸にしたサステナブル要素と具体的な確認項目で構成される。
サステナブル新製品の1つ「GOLD SPECIAL PREMIUM」 確認項目の一例としては、「地球」が生物多様性と生態系の保全、「人」が児童労働・強制労働の禁止、「製品」が農家の生計改善への支援となる。
この独自基準を満たしたコーヒー豆の調達を強化するため、レインフォレスト・アライアンス、フェアトレード・ラベル・ジャパンの環境2団体、オラム・フード・イングリディエンツとイーコムコーヒーグループのサプライヤー2社との連携を深めていく。
パートナーは随時追加を予定し、サステナブルコーヒーの消費者啓発や生産者支援の面で協力関係を構築していく。
消費者啓発では、サステナブルな製品の購入がより良い地球環境や、より良い生産者の生活につながることを主に伝えていく。
25日発表したUCCホールディングスの里見陵執行役員サステナビリティ担当は、消費者啓発には年月を要するとした上で「先行投資になるが、メディアの量(広告出稿量)も使ってお客様にわかりやすく製品のコンセプトや生産地の実態をお伝えしていきたい」と語る。
消費者の行動を変えるPR活動を積極的に推進していく予定で、レインフォレスト・アライアンスの一倉千恵子市場開発マネージャーも「消費者の認知度アップに協力をさせていただきたい」と意欲をのぞかせる。
産地支援としてはサステナブルな生産エリアの拡大も重視する。
「認証取得していないところや基準にあてはまらないところに対しては、様々なパートナーさまと相談しながら広げていかないといけない。
フェアトレード・ラベル・ジャパンの潮崎真惟子事務局長は今後について「国際フェアトレード認証基準を満たすものはUCCさんの基準を満たすということになる。その調達から発展して、生産地の支援や消費者教育も一緒にできないかと相談させていただいている。調達基準に関係なく気候変動が進んでいるころから、調達と切り離した支援も一緒に行い、それを製品に紐づけることも考えている」と述べる。

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