イオン ネット専用スーパー 「グリーンビーンズ」好調 都市部で利用者が拡大中
バラット・ルパーニ社長
イオングループのイオンネクストが首都圏向けに運営するネット専用スーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」の利用者が拡大している。開始2年で会員数は60万人を超えた。
コアユーザーは都心部に居住する共働き世帯で、特に子育て中の女性が多い。食品を中心に日用品から衣料品まで3万8000点以上をそろえ、配送は専用のアプリで1時間単位の指定が可能。バラット・ルパーニ社長は「買い物の時間が取りにくい方々の簡便ニーズに応えられている」と手応えを語った。

■リピート率90%以上

6月30日、千葉市にある大型物流拠点の誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)で記者会見を開催した。

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バラット・ルパーニ社長サービス開始から2年を経て、リピート注文比率は90%以上と圧倒的な高さを誇る。人気の理由には、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」等の充実した品ぞろえに加え、徹底したコールドチェーンによる品質管理がある。なかでも1週間鮮度保証の「鮮度+(せんどぷらす)」は、生鮮野菜をはじめ、鮮魚、畜肉、果実もラインアップ。アプリの使い勝手や注文のしやすさも好評だ。

現行の配送エリアは東京23区、千葉13市、神奈川の川崎市・横浜市。コアユーザーは都心の世田谷区、港区などイオンの店舗が手薄なエリアに多い。まとめ買いの利用が中心のため、全平均のバスケット単価は1万円以上に達するが、なかでもコアなリピーターは1万5000円を超えるという。

さらなるサービスの拡充を視野に、今夏以降にスポークと呼ぶ中継の配送拠点を9か所から14か所に増やす。
これに伴い東京23区外や埼玉への配送も始める計画。さらに26年度に八王子CFC、27年度に久喜宮代CFCの稼働を目指している。

イオンネクストの野澤知広副社長は「サービス開始から売上は計画通りに進捗。現行の事業規模は標準的なスーパー20~30店舗分に相当する。今のところイオンのネットスーパ―と利用者はエリア等で重ならず、カニバリはほとんど見られない。会員数は早期に100万人を達成できれば。まずは首都圏1700万世帯をターゲットに拡大を図り、30年度中の黒字化を見込む」と展望する。

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AI判断でピッキング
AI判断でピッキング■物流拠点、ロボット導入で負担軽減

「グリーンビーンズ」のサービスを支える最大の肝は誉田CFCに導入しているAIとロボティクス技術を駆使した最先端の独自システムだ。会員が注文に利用するスマホアプリは、CFCにおける商品のピックアップ、出荷、配送とも連動する。

最新のロボット導入は、省人化や従業員の負担軽減につながり、生産性の大幅な向上を実現する。最近では、注文された商品をAIの判断でピッキングし袋詰めまで行う「オングリッドロボットピック」、最大20kgの注文ボックスを自動で台車に積載する「オートフレームロード」、1分間に50袋以上を自動で注文ボックスに掛ける「オートバギング」などを導入した。

現状AIによるピッキングの対象商品は約3000品目。
今後、商品のサイズ・形状・重量・傷つきやすさなどをAIに学習させ、25年度中に1万品目まで増やす計画(2kg以上の商品など対象外)。
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