女性の社会進出、現代人のライフスタイルの変化、おいしさと手軽さの支持を背景に成長する中食・惣菜市場。コロナ禍以降の市場は右肩上がりで伸びており、2024年の市場規模は11兆円を超えた。
業態別では惣菜専門店と食料品スーパーが好調で、特に食料品スーパーは買い物客のニーズに応えるべく惣菜の取り扱いを強化し、これが他のチェーンとの差別化につながっている。

新型コロナウイルスが流行する前の19年比の惣菜市場の伸長率は9.4%増。業態別では、食料品スーパーが23.5%増、惣菜専門店が6.1%増だった(日本惣菜協会「惣菜白書」から)。市場構成比トップのコンビニエンスストアは4.8%増。

成長が著しい食料品スーパーは、大手スーパーを中心にプロセスセンターの稼働やセントラルキッチンの拡充が加速している。店舗内での従業員の作業量、作業工程を減らすべく取り組んでいる。この分野に対する卸業の支援も増している。スーパー各社は惣菜の品揃えを強化しており、多いチェーンでは惣菜の取り扱い構成比は15%程度に及ぶという。それだけ量販店にとって惣菜販売の比重は高まっており、競争が生まれることでおいしさや品位が向上している。人手不足とコスト上昇から、一部で店内調理からアウトパック化の流れが進んでいるようだ。冷食メーカーでは「丼ものなどの売れ筋の一部を除き、量販惣菜ではアウトパック化が進行している」と話す。

ドラッグストアでの惣菜販売も徐々に目立ってきた。
23年のドラッグストアの惣菜販売金額は643億円(前年比14.2%増)。今後も伸びていくチャネルの一つといえる。課題は売場面積や調理についてだが、地方のロードサイド店では惣菜企業が出店しているケースもある。ドラッグストアゆえに販売が伸びそうな惣菜もありそうだ。他のルートでは導入が多いとは言えないニッチな商品や健康軸の惣菜を拡充することなども考えられそうだ。
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