宝酒造は炭酸割り専用の日本酒「松竹梅『瑞音(みずおと)』」を2024年10月に業務用ルートで発売し、これまで全国の飲食店約4000店舗に導入された。
「酒ハイ」は、メーカーと流通関係者で構成する「日本酒需要創造会議」(24年4月設立)で企画された日本酒の新しい飲み方。キンキンに冷やした日本酒と炭酸水を1対1で割ることで、アルコール度数が約半分(7~8%程度)と飲みやすくなり、新たな飲み手の開拓につなげるもの。
ターゲット層について、藤田氏は「普段は日本酒を飲まれない方も、飲食店でお刺身や焼き物など和食とのペアリングを楽しみたい方は多い。そんな時にチューハイの代わりに日本酒を感じられる『酒ハイ』を飲むことで食事の満足度がアップする」と話す。
タイプの違いで様々な味わいに「瑞音」はフルーティーな香りや米由来の甘みが特長で、炭酸割りにすると低アルコールながら爽やかでボリューム感ある味わいが楽しめる。同社の消費者調査によると実に89%が「今後も飲みたい」との意向を示した。
酒類販売大手のカクヤスも「酒ハイ」の訴求に注力する。日本酒需要創造会議のメンバーとして積極的に取り組んでおり、自社内で炭酸割りに合う日本酒を選定して飲食店に提案。直近までに1500店超に「酒ハイ」メニューが導入された。
自社店舗では消費やキャンペーンを実施。
販売促進企画部BtoB販促企画課の大野郁美課長は「飲食店へのヒアリングでは一度飲んだ方のリピート率が非常に高いと聞いている。日本酒を飲み疲れた後の〆で注文される方も多いようだ」と手応えを語った。
両者はこのほど報道関係者向けに「酒ハイ」の試飲会を実施。「松竹梅『瑞音』」に加え、フルーティーな生貯蔵酒「松竹梅『昴』」、濃厚な香味と酸味が調和した「天狗米 山廃仕込 純米」、吉野杉の爽やかな香りをまとった「菊正宗 純米樽酒」などを使った「酒ハイ」を提供し、タイプの違いで様々な味わいが楽しめることを紹介した。

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