「まんぷく日和」は、要介護者の「食べたい」気持ちに寄り添い、要介護者本人やその家族に「お腹だけではなく心も満たされる介護食で、穏やかで楽しい毎日を過ごしてもらいたい」との思いを込めた新ブランド。
同社は、機能を中心に訴求する介護食のイメージを転換。要介護者が思わず食べたくなるような食材や香り、幅広いメニューラインアップ、普段の食事をイメージしやすいパッケージデザインにこだわり、「まんぷく日和」を開発した。
加齢に伴い胃腸の機能が低下することから全品食物繊維入りとし、数種類の野菜や調理に手間がかかる食材、肉や魚を彩りよく配合。メニューによっては、しょうが、にんにく、バジルなどを使い、食欲を誘う香りを実現した。
和風、洋風、中華風、ご当地メニューまで、その日の気分に合わせて選べる豊富なラインアップを実現した。「ナポリタン」「ソーキそば」「ポトフ」など、食の幅の広がりを楽しんできた世代の要介護者が食べたい、選びたいと思うメニューを揃えた。
パッケージにもこだわり、配合食材やUDF(ユニバーサルデザインフード)区分を分かりやすく表示する一方で、食卓をイメージしやすい背景、食事としてのおいしさを感じるシズルを採用。機能的なイメージの強い介護食ではなく、日常の食卓をイメージしたデザインに仕上げた。
市販の介護食にネガティブなイメージを抱く介護者に向けたコミュニケーションにも取り組む。9月上旬にはブランドサイトを先行公開。商品の発売に合わせてアレンジレシピを公開し、医療・介護食向けのサンプル受付を開始する。
同社は9月上旬、都内で新商品発表会を開いた。
マーケティング四部の高橋岳春部長は、仕事をしながら介護に従事する「ビジネスケアラー」の増加が社会課題になっていることを紹介しつつ、「当社のシニア事業を通じ、ゆとり、心の余裕が生まれるといったことに貢献できればいいと考えている」と語った。
同部の岸奈津美氏は「お腹だけでなく、食べる楽しみをいつまでも届けたい」「それを達成するために、介護食というカテゴリー自体を、もっと『おいしくて、食べやすい』というイメージを持ってもらえるカテゴリーにしていかなければと考えている」とした。